医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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アカデミックな医療界ではなく、市井の国手と呼ばれる外科医を尋ねて手術の腕を磨き,野戦病院のような小さな病院で、メス一筋で獅子奮迅の活躍をする外科医当麻を主人公にした医療漫画や医療小説を書き続けてきた大鐘稔彦氏が、今回ヒトラーを題材として「マックスとアドルフ」という大作を上梓された。彼の医療小説は「孤高のメス」という題で映画化されたので、少なからずの人は外科医大鐘稔彦氏をご存じではないだろうか。「孤高のメス」は作者自身の外科医としての実体験に基づいて書かれているので少なからずの読者に支持されている。
その彼が今回、医療界とは無縁なドイツ人で初めてへビー級世界チャンピオンになったボクサー、マックスとヨーロッパを焦土と化し、戦場や人種差別的な強制収容場、アウシュビッツで大量の死者を出したヒトラーの物語を上梓した。早速読んでみた。
「マックスとアドルフ」は6000枚の上下巻にわかれた大作ではあるが退屈することなくわくわくしながら読了できた。読み始めれば、魅力的な時間を持つことができるであろう。
ヒトラーにまつわる歴史的な事件の描写も詳細を極め、読み応え十分。多感な青春時代から、政治にかかわった絶頂の時と当時の混沌とした世界状況、愛人と青酸カリをあおって生涯を閉じるまでが見事に描かれている。
著者のヒトラーの人間的魅力を書き上げたいとの創作の動機は実を結んでいるといえるであろう。
しかし読了後も私にとっては、やはりヒトラーは悪魔に魅入られた怪物で、ヨーロッパ中に、何物も生みださない死の腐臭をまき散らした人物であるとの思いを払しょくすることができなかった。また彼のような怪物を、歓迎した国民、民衆もやはり同罪。
しかしこの類の事件はあらゆるところで、繰り返し起こっているのではなかろうか。我が国でもスケールの小さな事件として、麻原を教祖と仰ぎ,全能を求めて、この世を救済しようと、これまたなにも生み出さない、サリンによる大量殺人を引き起こしたオーム事件の中に、同じ愚かさを見ることができる。自分を振り返っても同じ過ちを犯していることに気が付かされる。
このような死で終える悲劇は、神を見失った人間が行き着く果てだという思いを新たにした。大作は神を見失った人たちの歩まねばならない道があるとの視点で書き上げられていたら、混沌とした現代に警鐘を鳴らす傑作として評価されたのにと悔やまれる。
神を見失ったといっても、神なきわれわれにとって、なんのことやらちんぷんかんぷんなコメントと受け取られるであろう。
聖書では神を見失った人間を肉の人と、信仰で生きる人を霊に導かれている人と表現する。評者のわたしの今の立場は、信仰を持とうが持つまいが、すべての人間は肉の人でもあり、霊の人でもあるというのが率直な気持ちである。
ただ信仰に全く無関心になると、備えられている霊の世界が隠れて、後は肉の世界だけの欲得、勝ち負けそして自己尊大化だけが幅を利かせ始める。色欲だけが生きるエネルギーになる。
その中で一番たちが悪いのが、他者を見失った自己尊大化。ありていに言えば、自分が一番偉い、自分の判断が一番正しいという、テロリズム。しかもこの自己尊大化は、自分が阿呆な人間であると自覚できないから厄介。ただただ自己陶酔、自己使命感の中だけで生きていく。このヒトラーの本質こそを、この魅力的な大作に書き込んでもらいたかった。時代はまたヒトラーのような人物を待望する雰囲気で溢れている。
肉の世界だけで生きるとヒトラーのように、ゲルマン民族だけが選ばれた民であるとの誇大妄想を生む。しかもその自惚れを確信できないために、劣等民族、彼にとってはユダヤ人や障碍者たちをヘイトする、排除する。この愚かな思い込みを根拠として、自らが優秀であると信じ込む。大和民族が優れていることを担保するために全く意味のない、ヘイトスピーチに命を懸けている若者がわが国にいるのも事情は同じあろう。
残念なことに作者が見事に書き上げたヒトラーの姿は、評者にとって、テロリズムに蝕まれた典型例としかみえなかった。神を見失った人間の行きつく果てとしか考えられない。今から思うとどうしてそのような愚行を繰り返したのか。ヒトラー自身もそのような醜い人間を目指したのではない。
独裁者は人間的にも魅力的であるのは当たり前であろう。しかしどこでどう狂ったのかの悲劇を、この大作に描き込んでもらいたかった。
ヒトラーの君臨した統合本部の一種の華やいだ雰囲気は、何千万人の戦争犠牲者が出ている戦場の悲惨さとあまりにもかけ離れている。作者はこの異様さの由来を書き込むべきであろう。
ヒトラーの政治家としての卓越した能力が、ゲルマン民族の繁栄だけではなく、人類全体の栄光のためになぜ生かされなかったのか。なぜもっと広い視野に基づいた生き方に思い至らなかったのか、そのことを掘り下げてもらいたかった。
「マックスとアドルフ」に対する私の感想である。読まれていない方には何か途方もない妄言に思えたことであろう。是非手に取って読んでもらいたい。混沌とした現在に対する多くの教訓を読み取ることができると思う。
現在医療界を牛耳っている権威たちに、ヒトラーのような根拠のない自己尊大化があるのではないかと感じて、大鐘稔彦作「マックスとアドルフ」の書評を載せた。
医療界が根拠のない権威をよりどころに生きている人たちに牛耳られるのは、将来に多くの禍根を残す。いや今のような医療界が当たり前であると感じるようになれば、わが国の将来はない。敢えて場違いな「マックスとアドルフ」をここで紹介させて頂いた。寄り道の寄り道である。

by rr4546 | 2016-08-26 23:00 | その他 | Comments(0)
認知症薬の効果は医師の臨床的観察ではっきり認められない。ADASだSIBだと実地医家には馴染みのない海外で開発された認知機能テストでAlzheimer型認知症(AD)患者に認知症薬の効果が確認されていることを述べている。製薬会社の製品概要をみると、ADASやSIB以外のNPI、ADCS-ADL-severe、CDR-J、DAD,MENFIS,BEHAVE-ADなど門外漢にはその詳細がわからない検査法で薬効が確認できたと印象深いデータが掲載されている。
ただそれらのデータの詳細からでも、AD患者を苦しめる近時体験記憶障害、場所や時間の見当識障害、日常機能遂行異常、概念的思考破たんときには失認や失行をどのように改善させたり、進行を遅延させたりするかについて論ずることは至難である。いやできないと言った方が正しいであろう。この薬効ゆえにClinician’s Interview- based Impression of  changes(CIBIC plus-J―その詳細についてこの論考の最後に紹介する)による検討では認知症薬の効果がほとんど確認できないのであろう。
臨床の現場で認知症薬を投与している実地医家には認知症薬の効果は実感できないとAD患者を診ている医師を戸惑わせている。いや戸惑わないで、効果や副作用に思いをはせないでせっせせっせと認知症薬の処方を切っている。
今回は軽度から中程度のAD患者に保険診療が認められている脳のアセチルコリンを増加させるアリセプト、レミニール、リバスタッチの3種類の薬に、どのような効果があるかについて治験で検討されたADASの成績を紹介して、どのような領域に効果があるのか、投与後の効果をどのように観察するべきかについての私見を述べておきたい。
オリンピックでのわが国の若者の活躍を見るのに時間をとられたり、熱さで熱中症まがいの意識レベルの低下があったりで、一日も早くコウノメソッドを批判的に紹介したいが、原稿を書く気力がわかない。いやマインドコントロールされた人を解除する方法がないことを知っているからかもしれない。読んでくださる人はわずかであり、わざわざ言い訳をするほどのことではないか。自分の怠惰を戒めるために雑文を載せておく。


by rr4546 | 2016-08-26 18:04 | 医療関係 | Comments(0)