医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

<   2013年 10月 ( 6 )   > この月の画像一覧

11月7日から10日にかけて、松本で開かれる認知症学会に出かける。上高地あたりまで足を延ばして、一足先に紅葉を楽しんできたい。長野で現在次男家族が生活しているので、ここ数年、信州に出かける機会が増えた。お盆以来久し振りに二人の孫娘に会うのも楽しみ。私も4人の孫を持つお爺さんになってしまった。
今まで認知症の専門家が一堂に会する認知症学会に出席したことがなかった。われながら呆れている。この機会に認知症の専門家が何を議論して、認知症患者が増える時代にどのような役割を果たそうとしているのか、じっくり聞いてきたい。感想をBlogに書くかもしれない。良い知らせが書ければいいが。
10月19日に「増加する高齢者糖尿病への対応策―新たな血糖コントロール目標値を含めてー」の講演会で面白い試みがなされたのでそれを書いておく。
講演の最後に糖尿病患者5症例が呈示されて、演者を始め現在一線で診療を行っている糖尿病専門医6人が壇上で、治療を中心に議論を行った。このような聴衆参加型の講演会は初めてである。
取り上げられた症例の中に「糖尿病にアルツハイマー型認知症の合併した症例」があった。表現を変えたり、付け加えたいことがあるが配布された資料のまま以下に示す。
症例3:72歳女性、2型糖尿病
既往歴:アルツハイマー型認知症、高血圧
合併症:単純性網膜症、早期糖尿病性腎症
現病歴:5年前にHbA1c9.0%、空腹時血糖220mg/dlで糖尿病と診断された。食事療法でHbA1c8.2%まで低下した後、血糖降下薬(グリメピリド1mg)
を開始し、HbA1c7.2%まで改善したところで、転居のため転院となった。タクシードライバーの御主人と2人暮らしで、日中は一人で過ごしている。既往症のため食事は不規則で、服薬はご主人が管理している。
直近のデータ:空腹時血糖 72mg/dl、HbA1c7.6%
現処方:ドネペジル塩酸塩(アリセプト抗認知症薬) 20mg  メマンチン塩酸塩(メマリー抗認知症薬) 10mg アジルサルタン(ARB降圧薬)20mg  シタグリプチン(インクレチン関連薬、血糖降下薬) 50mg
6人のdiscussantは、空腹時血糖は満足すべき値であるが、その割にはHbA1cが高い。食後高血糖があると考えられる。患者は72歳と若く、将来さらに心血管合併症の発症が危惧されるのでもう少し糖尿病治療を厳格に行った方がいいという結論を出した。特別講演をした権威も私からコメントすることは何もないと付け加えられた。
私は空腹時血糖が72mg/dlと低いのが気になって仕方がなかった。新しく提案された血糖コントロールの目標値はHbA1cだけが示されて、目標とする血糖値が書かれていない。しかし本年の5月まで長く使われていた現在より厳格な血糖コントロール目標には達成すべき空腹時血糖も優、良、可(不十分、不良)、不可に分けて示されている。空腹時血糖は「優」で80から110mg/dl未満、そして合併症を防ぐ治療目標値として現在推奨されているHbA1c7.0%未満は、以前も指摘したように「可」の「不十分」に大凡相当するが、その際の空腹時血糖値は130から160mg/dlとされている。
症例の空腹時血糖はその値よりはるかに低値であり、低血糖と診断するべきであろう。そういう指摘は専門医の間から全く出なかった。
専門医も糖尿病治療にはthe lower、 the worseがあるということに無頓着にthe lower、 the betterと信じて血糖を下げることだけに取り組んでいるらしい。
多くの臨床医に、血糖を下げ過ぎると患者に大変な不利益を与えることがあることを衆知させるのはどうしたらいのであろうか。嗚呼!
この患者の認知障害もアルツハイマー型と診断されているがかなり疑わしい。アルツハイマー型と診断した根拠について質問しようと準備しているうちに次の症例の議論に移ってしまった。
2剤の抗認知症薬が投与され、アリセプトが通常の5mgの4倍の20mgが投与されている治療内容から推測すると、認知障害のステージは中程度から重度と診断されていたのであろう。中程度ということは、介助なしで洋服が選べなかったり、料理もできなくなったりしている場合が多い。厄介なことに不穏や徘徊などの周辺症状も出てくる。
しかし現病歴で見る限りご主人は、患者を一人で家に置いてタクシードライバーという変則的な勤務に出ている。
アルツハイマー型はどちらかというと、元気な印象や取り繕いなどのわざとらしい症状があるのに反して、低血糖による認知障害はうつ状態で活気を失い、徐々に日常活動が障害されていく。中程度のステージでも一人で家の中で生活できるというのは、活気を失っていく低血糖による認知症と考えるのを支持しているのではないだろうか。空腹時血糖も72mg/dlと低値である!
糖尿病性認知症には低血糖から来る脳障害があるという医学常識が臨床医の間で共有されるのはいつのことだろうか。
私が可笑しいのか、権威たちが可笑しいのか。ほおっておいてよいとはとても思えない。高齢者医療はまだ道半ばであると謙虚になって、よりよい高齢者医療を作り上げるためにすべたの人が頑張らなければならない。
専門医はもっと血糖をcontrolせよという。私はむしろ今の治療でも低血糖のリスクがあるという。糖尿病治療をさらに強力にするべきか、もっと緩やかにするべきか全く異なった対応がある。こういう症例は臨床の現場でよく見かけると思う。
この症例は軽々に血糖を下げればよいということではなく、包括的高齢者機能評価を他職種で行って、もっときめ細かい治療戦略を立てなければならないであろう。そのような指摘も行われなかった。
このような状況を放置しておくと取り返しのつかないことが医療の現場で起こるであろう。起こっている!

by rr4546 | 2013-10-31 19:55 | 医療関係 | Comments(0)
高血糖を正常の血糖値にcontrolすれば、糖尿病合併症である網膜症、細小血管障害、大血管障害そして末梢神経障害が発症しないことは容易に想像できる。
しかし、限りなく血糖を正常に近づける治療を行うと、時に過剰に血糖が低下することがある。低血糖はもろもろの合併症を招来して、患者を苦しめることが近年明らかにされてきた。
日本糖尿病学会も今年の5月に厳格な血糖管理を勧めてきた立場を変更して、血糖管理をマイルドにする新たな血糖目標値を提案したことはすでに書いた。The lower、the betterではなくthe lower、the worseの場合があることに注意を促したのである。
現在作用機序の異なる薬を併用することで、血糖を下げることは容易である。1型糖尿病のようにインスリン分泌ができない患者でもインスリンを補充すれば健常人と同じ生活を送ることができる。たしか阪神タイガースの岩田投手は、インスリンを打って、先発投手陣の一翼を担っている。
血糖は高いのも駄目であるが、低すぎても駄目である。
かなり以前には、統合失調症で凶暴で、他人に危害を加える患者にインスリンを打っていた。人工的に低血糖を起こして、中枢神経の働きを障害し、意識レベル低下させ、患者を無気力にさせ、凶暴性を治療していた。
低血糖は脳に不可逆性の障害を惹き起して、うつや痴呆状態を作り出す。現在の知識でいえば、統合失調症を認知症患者に生まれ変わらせていたのである。意図的にではないが、同じようなことが現在でも起こっている!
さらに厄介なことは重篤な低血糖は昏睡状態から死に至ることである。インクレチン関連薬とSU薬の併用によって当初死亡事故が発生したのは、重篤な低血糖に由来する昏睡による事故であった。
念のために低血糖について説明しておく。低血糖時まず、空腹感、あくび、悪心を来たす。さらに血糖が下がると無気力や倦怠感が生じる。さらに血糖が低下すると、交感神経の亢進症状である冷や汗、動悸、震えなどが出てくる。そして脳の働きが失われて意識消失、昏睡そして死に至る。患者は冷や汗や動悸そして震えで低血糖状態になっていることを自覚する場合が多い。
糖尿病治療中の低血糖発作は稀なことではない!
これらの自覚症状は、低血糖発作を繰り返したり、高齢者になると見掛け上はっきりしなくなったり、自覚できなくなる。気が付いたら意識消失そして死という転帰をとる機会が増える可能性があるのである。
高齢者は食事習慣が不規則で、服薬アドヒアランスが低下する。また服薬後、食事をしないで電話を掛けたりする。また高齢者は胃の噴門筋の働きの低下で摂取した食事を容易に嘔吐する。低血糖を起こす環境がそろっている。
糖尿病性認知症と診断されている高齢者のかなりの症例が、アルツハイマー型ではなく、低血糖による中枢神経障害に由来することを経験している。アルツハイマー型との違いについていずれ書く。
高齢者の血糖管理は低血糖を起こさない戦略で臨まなくてはならない。詳細は拙著を参照されたい。
ここではビグアナイド薬の積極的使用についてだけ触れておく。欧米各国では糖尿病治療薬のfirst choiceであるビグアナイド薬は、日本の学会の治療指針ではインクレチン関連薬、SU薬、速効型インスリン分泌促進薬、糖吸収阻害薬などの色々の薬の中の一つとして推奨されているにすぎない。
ビグアナイドは歴史の古い薬で、現在も正確な作用機序はわかっていないが、糖尿病の発症抑制、心血管疾患発症の抑制、脳卒中発症低下、インスリン分泌能の改善、体重増加の抑制、80歳以上の2型糖尿病にも安全に投与できる、糖尿病患者は発がんリスクが高いがその低下に有効、認知症の発症抑制などこの薬の利点が今でも次々と報告されている。その上けた違いに廉価。
私は、70歳から90歳までの20数例で行ったビグアナイド薬(250mg~500mg)単独投与で従来のSU薬、インスリン抵抗薬、糖吸収阻害薬の2~3薬併用より有意にHbA1cを低下させたという報告をしてきた。その成績をBLOGにも載せていたが、達成したHbA1cの値が5.9%ととんでもない低値であったので誤解されるのを恐れてBLOGから削除している。勿論インスリン分泌には直接関係しないので、低血糖発作は皆無。それらの成績から高齢者でも500mg(時に750mg)以下のビグアナイドなら安全に投与できることを主張していた。
ビグアナイド薬は糖尿病治療薬のfirst choiceにするべきであるとの見解は、一線の病院の若い医師から度々出されている。最近も能登洋は「メトホルミンによる大血管症予防効果はアジア人でも実証されている。○かXか?」(日経メディカルオンライン 10月3日 2013)でメトホルミン(ビグアナイド薬)を糖尿病治療のfirst choiceにするべきであると主張している。
ここで言っておくが、欧米諸国はメトホルミン2000mg位を投与しているが、わが国では精々750mg投与くらい。それでも治療効果が見られる。最近500mgの錠剤がやっと保険適用になった。
一日も早くわが国でのビグアナイドの適正な投与量や適応基準についてのデータが出されることを期待している。安くて効果のある薬を使わない手はない。ビグアナイドを勧めない理由として乳酸アシドーシスという副作用が挙げられるが、乳酸アシドーシスは、投与群と非投与群で差がないとの報告もある。インスリン分泌低下が主たる原因である糖尿病にはインスリン分泌に関係がない薬は適応がないとのレトリックで、ビグアナイドの普及が阻まれている。インスリン分泌低下の糖尿病患者にビグアナイドが無効であるならともかくも、効果があればインスリン分泌に関係がなくても、使用すべきであるというのが常識的な結論であろう。一部の糖尿病専門医のビグアナイドに対する敵意は常識を超えている。
糖尿病学会の権威たちは、なぜ新薬の治験データの検討ばかりに夢中になっているのであろうか。
ビグアナイドをfirst choiceにしない理由を示すべきであろう。効果が特にないことが示された高価な薬と同等に扱う根拠を示すべきであろう。生涯医療費も馬鹿にならない。しかしそのような動きは全くない。
権威たちはインクレチン関連薬の臨床効果について一段落していないの、インクレチン関連薬など忘れたように、腎臓から糖を排泄させる、新薬のSGLT2阻害薬の有用性の大合唱をしている。高額な新薬好きは、患者だけではなく、権威たちも同じである。ねつ造データを少なくとも4か所の大学病院が出す背景が糖尿病学会にもないとはいえない。
アメリカ糖尿病学会はビグアナイド薬を一度は販売停止にした。現在はfirst choiceとして推奨している。数奇な運命をたどっている。同じことをわが国でも行うべきか、行うべきでないのかの結論を出すことが糖尿病の権威たちには求められている。
ビグアナイドが怖い怖いという臨床医の思いに根拠があるのか、ないのかについてもはっきり結論を出すべきである。それが糖尿病学に長く携わって飯を食べてきた権威たちの役目であろう。嗚呼!

by rr4546 | 2013-10-24 18:04 | 医療関係 | Comments(0)
残酷なストーカー事件について論じたことがある。若者が理不尽に命を落とすのはいたたまれない。口でがましいが再掲しておきたい。「一神教的思考様式を学ぶー創世記」P.38-48
創世記 No.5 天地創造 No.5 カインの末裔―神への捧げもの
2006年 11月 11日
神への捧げもの
 楽園から追われ地上に住むことになったアダムとエバは結婚してカインとアベルの二人の兄弟をもうけます。聖書的立場からするとわたし達はアングロサクソンだ、ラテンだ、アフリカだ、東洋だホッテントットだと自分の人種的identityを主張しあっていますが、私たちはアダムとエバから生まれた兄弟です。カインは農耕、そしてアベルは羊飼いとして生計を立てていました。牧畜から農業へと生活スタイルが変わっていく時代を背景とした神話です。彼らは大切な収穫物を神に捧げます。
 「カインは土の実りを主のもとに献げ物として持ってきた。アベルは羊の群れの中から肥えた初子を持って来た。主はアベルとその捧げ物に目を留められたが、カインとその捧げ物には目を留められなかった。カインは激しく怒って顔を伏せた。」(創世記4章3-5節)。
・・・・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 不思議なことに、主はカインの献げ物に目を留めませんが、アベルの捧げ物を良しとされる。楽園から追い出したので、不肖の息子たちとは縁が切れたはずですが、主は地上のアダムの末裔たちにあれやこれやと干渉するのです。楽園の外の事など私たちに任せてくれたらいいのに・・・。
 神がどういう意図を持っていたか伺い知ることはできませんが、カインの捧げ物に目を留めなかった。カインは悲しかったのでしょう、野原で弟アベルを襲って殺してしまう。不思議な顛末が記載されています。
「カインが弟アベルに言葉をかけ、二人が野原に着いたとき、カインは弟アベルを襲って殺した。」(創世記4章8節)。 カインもアベルも捧げ物を差し出したのですから、二人とも神に喜ばれ祝福されるというのが合理的な結論です。しかし神は肥えた子羊しか喜ばなかった。カインは喜ばれなかった理由が思い当たらない。当然ですね。
 この物語から、神の選びは人間の側の手柄にはよらない一方的なものであることを学ばなければならないでしょう。心を込めて捧げれば喜ばれるというのがこの世の理ですが、神は心を込めた贈り物でも拒絶されることがある。この世には私たちが納得できる条理に従ったことだけではなくてどうしても納得できない不条理なことがあるということを暗示しています。誠実に真剣に生きていても事がうまく運ぶとは限らない。
 アダムとエバの息子であるカインは弟殺しを仕出かす。ただカインの言い分を聞けばもっともと頷くしかない。いや彼に同情してしまうかもしれない。
 神は弟を殺したカインを許しません。「何ということをしたのか。お前の弟の血が土の中からわたしに向かって叫んでいる。今、お前は呪われる者となった。お前が流した弟の血を、口を開けて飲み込んだ土よりもなお、呪われる。土を耕しても、土はもはやお前のために作物を産み出すことはない。お前は地上をさまよい、さすらう者となる。」(創世記4章10-12節)。農業に従事するものにとっては死ねとの宣告です。
カインの末裔
 私たちは「カインの末裔」と呼ばれています。呪われてこの地上をさすらい続けなければならない。今回はカインが神に献げ物をしながら神に従うのではなくて弟殺しをしてしまう理由について考えておきたいと思います。
 この世の中にはどうしても納得できないことがある。どうしてだという問いを長い間、人は繰り返してきました。仏教は過去の善・悪の行いに相応する楽・苦の結果があるという因果応報的な考え方を教えました。
ただ正しいものが滅びて、悪いものが栄えることは現実によく起こります。そこで因果応報は前世・現世・来世の三世にまで広げられ、過去の善・悪の行いが現在や来世の幸・不幸を招いているとして、理不尽な逆境の由来を明らかにしました。何もしていないのに不幸に襲われた人には前世の悪因によって今の苦しみがある。悪が栄えるのを見て嘆く人には、来世で彼らは悪果で苦しむと教えるのです。
 創世記はこの世の出来事が因果応報的な仕組みで起こっていないという全く異なった考え方を示します。神のご計画は人間の想いを超えたもので、知っている範囲が狭い人間には決して神の経綸には思いが及ばない。献げ物が神に嘉せられなかった理由はカインが判らないだけである。
 神の選びの根拠は人の思いを超えているということを先ず頭に入れなければなりません。世界が因果応報的な合理的考えでは理解できない、非合理から成り立っていることを明らかにしました。
 謙虚になれなかったカインは献げ物をすれば神が祝福してくれると勝手に思い込んでいました。神を支配しようとした。思い通りにこの世が動くことはまずないですね。良いことをしてあげたのに逆恨みされることはいくらでも起こります。逆もまた真なり。よそ様が期待通りに答えてくれればこんな楽なことはないのですが。
・…・…・・…・…・・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 精一杯心を込めた献げ物も突き返されることがある。そして捧げ物が突き返されただけで、逆上して弟殺しを仕出かす。
 どうしたらカインは弟殺しに走らずにこの世に立つことができたのでしょうか。献げ物を誇るのではなくて、献げ物が神にふさわしいものかどうかの畏れを持って捧げていればカインの悲劇は起こらなかったのではないでしょうか。神であればこれで充分だと誇っていいのです。神ではない僕は、献げ物をする時でも自己肯定的な立派な献げ物ですとの思いと同時に、自己否定的なこれでは充分ではないかもしれませんとの思いが求められているのです。
 よく考えてみればこれは当たり前で、献げ物は立派であると同時に、充分ではない側面があります。贈り物をしてけちをつけられたら逆上してしまいますが、文句のつけようがない捧げ物などありません。日々の営みの中でも、徹底的に考えたと思っても、まだまだ十分に考えたといえない側面があるのと同じです。この簡単な仕組みを自覚することが神の知恵を手に入れたアダムの末裔達には難しいのでしょう。
 ・・・・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・…・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「ストーカーが若い女性を追い掛け回した挙句に残酷な方法で命を奪う事件が後を絶ちません。未来のある若者が死んでいくのは悲しいことですね。精一杯尽くせば、思いを寄せる女性も喜んでくれると勝手に思い込んだ挙句の悲劇のような気がします。思い上がったカインの弟殺し事件は私たちの身近でも起こっているのです。心を込めて贈り物をしたから、相手は応えてくれる。そういう単細胞的な発想から逃れるためにも聖書を学ばなければならない。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 こんな考えを持つことができるではありませんか。「夕食の準備のために買い物に出掛けて、自分の食べたいものだけを探している時と、相手の好物を探して手に入れる時とどちらを幸せに感じるのでしょうか。自分の好きなものだけを買う時しか喜びを見出せない人はいないのです。不思議なことに自分のことより、相手が喜んでくれる物を見つけた時のほうがうれしく感じる。私たちは相手に尽くすほうを喜びに感ずるという遺伝子を持っているのです。」

by rr4546 | 2013-10-19 00:21 | 宗教 | Comments(0)
糖尿病治療に画期的な貢献が期待されたDPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)は、複合心血管イベント、心血管死、全死亡いずれをみても、従来の治療に比べて改善効果を示さなかった。
しかし現在わが国で最も処方されている経口血糖降下薬ではないだろうか。早期介入が膵臓のインスリン分泌細胞の疲弊を食い止め、長期の血糖controlが期待できる,the earlier、the betterなどと権威が耳触りのいい話をするので、境界型いや私の診断では正常と言っていい高齢者にも結構投与されている。
早期診断・早期治療が予後を改善するというもっともらしい言葉は、認知症だけではなくどの疾患でも言われているらしい。
念のために言っておくが、臨床的に認知症と診断される前に、軽度認知障害(MCI)のステージがあるが、日本で使われている4種類の抗認知症薬(ネーミングが間違っている!)は、いずれもMCIに投与しても認知症発症に対して予防効果は全くみられなかった、副作用だけがみられたとの海外データがあることについてもついでに書いておく。
製薬会社に都合のいいことなら、仮説段階でも権威たちが講演してよいという異常な光景は何とかならないものだろうか。
いやいやそのおかげというわけではないが1,2年間でインクレチン関連薬は臨床医の間にまたたく間に広がった。
ディオバンはねつ造データで臨床効果を水増ししたと、色々叩かれているが、臨床効果のメリットについてわかっていない薬をあたかも夢の薬の如く煽った行為もねつ造データによる過大宣伝に近い行為だと思う。権威たちが過大な宣伝に加担しなければ、1,2年でインクレチン関連薬が現在のように使われているとはとても思えない。嗚呼!
正直に告白するが、インクレチンという言葉すら、私自身もほんの数年前まで知らなかった。多くの臨床医も同じであろう。
インクレチン関連薬が広く使われるようになったいきさつを検証して、正すべきは正し、罰を受ける者には罰を与えるべきであろう。なぜこのようなことが許されるのか国民全体で考えるべきである。
話が横道にそれて前に進めない。
色々言いたいことがあるが、インクレチン関連薬の有用性が語られるとき、専門医も一線の臨床医もインクレチン関連薬とSU薬の相性の良さを大合唱をしていたことを取り上げておく。臨床効果がなかっただけではなく、インクレチン関連薬とSU薬の併用で低血糖発作を惹き起して死亡事故や認知障害患者を生み出しているからである。
老人医療に携わって7年。以前見かけなかった糖尿病性認知症患者に最近よく遭遇するようになった。一度症例を経験すれば、他の認知症との鑑別は容易である。
2型糖尿病はインスリン分泌不足と、インスリンに対する感受性が落ちているインスリン抵抗性増大の二つの機序で起こる。従って糖尿病治療にはインスリンそのものを追加するか、インスリン分泌を高めるSU薬などが主に使われる。他にインスリン抵抗を減弱させる薬、糖の吸収を抑制する薬、まだはっきりと作用機序が判っていないが、糖産生を抑制したりインスリン抵抗を改善させる薬が使われる。作用機序や生理作用の異なる薬を組み合わせて治療に当たる。
インクレチン関連薬はインスリンを分泌させる薬なので、単独では効果が認められなかったらインスリン分泌に関与しない薬との併用で血糖をcontrolするのが原則であろう。素人の方が考えても同じ結論であろう。インスリンを分泌させる薬と併用すれば、インクレチン関連薬の持つ良さも十分観察できない。インスリンが過剰に分泌されて低血糖発作が起こりうる。その際どちらの薬が悪役なのか判定できない。この当たり前のことが糖尿病専門医の間で共有されなかった。
驚いたことにインクレチン関連薬が保険適応になったとき、併用薬として認められたのはインスリンを分泌するSU薬だけであった。治験に携わった専門医たちがインクレチン関連薬とSU薬併用によるHbA1cの低下効果を示したのであろう。平均血糖値(HbA1c)低下と糖尿病予後と余り相関がないのはよく知られた事実である。
危惧したように、インクレチン関連薬が販売されてから重症の低血糖発作をきたした患者が続出した。当初3名の低血糖発作による死亡事件があった。さすがに糖尿病学会もインクレチン関連薬とSU薬を併用するときは、SU薬を減量するよう緊急声明を数回出した。AというSU薬の場合は1.25mg/日以下、Bという薬は2mg/日以下に、Cという薬の場合は40mg/日と忙しい臨床医には対応できないような細かい対応策を示した。インクレチン関連薬を中止せよとは言わなかった。余程インクレチン関連薬に惚れ込んでいたのであろう。治験の段階でこういう副作用は観察されなかったのか!
残念ながら、依然としてインクレチン関連薬とSU薬併用による重篤な低血糖発作そして慢性の低血糖による認知障害患者は増加している。薬害まがいのことが起こっている。嗚呼!
このような異常な臨床現場を作り出した犯人は誰なのであろうか。
糖尿病学会はインクレチン関連薬とインスリン分泌薬(SU薬など)との併用は原則禁止、併用する場合は、こういう場合に限ると縛りをかけるべきである。
少なくとも私の診ている患者はインスリンを分泌しない糖尿病治療薬との併用で血糖のcontrolができている。
糖尿病患者に糖尿病の権威たちが本当に愛情を持っているのか、私は疑っている。

by rr4546 | 2013-10-17 15:45 | 医療関係 | Comments(0)
糖尿病治療は一律に行うのではなく、個々の患者に応じた対応が求められる。特に高齢者はHbA1cを下げることだけを目標とすると、血液データ上ではgood controlであっても、脳卒中発作の頻度や死亡率をあげるとの臨床研究があることを紹介してきた。
ここでは糖尿病治療の基本である食事療法・運動療法そして色々メリットのあるインスリン注射療法について詳述するつもりはない。権威たちの書いた治療書を参照されたい。
ただ権威が推奨することでそれはちょっと可笑しいのではないか、一般の高齢者も知っておかれた方がいいと思う2点について書いておきたい。
一つは従来の治療薬に見られる肥満や低血糖などの副作用がないと鳴り物入りで臨床に登場し、1、2年間で糖尿病患者の7割以上に処方されるようになっているインクレチン関連薬(特にDPP-4阻害薬、以下インクレチン関連薬)に関してである。
もう一つは欧米では糖尿病治療のfirst choiceで推奨されるビグアナイド薬についてである。機会あるごとに高齢者でも、腎機能低下や350mg/dl以上の高血糖あるいは脱水や急性アルコール中毒のようなアシドーシスを来たしやすい状況がなければ、安心して使えると話しているが「怖くて使えない」という反応が返ってくる。
専門家の多くも日本人の糖尿病はインスリン分泌が低下して起こるので、インスリンを分泌させる薬を選択するべきである。インスリン分泌に影響がないビグアナイドは余り適応がない。むしろ致死的な乳酸アシドーシスを起こすので注意をするよう主張している。適応があるとすれば肥満の壮年期の患者に限ると今でも治療学の本に書いてあると思う。それが高齢者には低血糖の心配がないので安心して使えるという話である。
先ずインクレチン関連薬についてである。インクレチン関連薬はインスリン分泌ホルモン、インクレチンの分解を阻害して血糖をコントロールする薬である。インクレチンは食事の際に消化管から分泌されるので、無理やり血糖を下げる従来の薬と違って血糖変動を生理的に改善する。好都合なことにグルカゴンの分泌を抑制するので、従来の薬に見られる体重増加がない。あとは老化防止に有効であるなど仮説だらけの夢物語を聞かされた。ともあれいいことづくめで私も煽られてビグアナイドが使いにくい患者に処方している。
ただよいしょの講演会の際に糖尿病で困るのは血管系の合併症、その合併症に対してよい効果が得られるのかと質問をしたが、いつも無視された。演者も催眠術にあったように、この新薬は画期的な有用な薬であると信じて疑わないので、場違いな質問を不愉快に感じられたのであろう。
驚いたことに、私が危惧していたように、インクレチン関連薬を投与しても、従来の治療と比較して複合心血管イベント、心血管死、全死亡すべてで改善が見られなかったとの報告がなされた(EXAMINE試験、SAVOR-TIMI53試験)。勿論HbA1cは改善するが。その上困ったことにサキサグリプチン(インクレチン関連薬)群では心不全による入院例が増加した(山田悟 DPP-4阻害薬の夢、破れる?  MT Pro 9月19日)。
デイオパンが脳梗塞や心筋梗塞を有意に減少させたとの複数の医療機関から出た報告とまるで違う。うっかりわが国でこのような臨床試験が行われないでよかった。悲しい言いかたであるが。症例を絞ればインクレチン薬の有用性が証明できたとの報告も出るかもしれない。
煽りたてられてインクレチン関連薬を処方した医師はこの結果を患者にどのように説明するのであろうか。
インクレチン関連薬投与で膵炎の頻度が上昇した、膵細胞の過形成がより多く認められたとの報告もある。
多分この結果は患者に説明されずに、インクレチン関連薬は投与され続けるであろう。そして患者は医療費が増えたが、新しい薬を服用しているので安心だと信じて治療を受け続けるであろう。だれが裏で笑っているのか、考えただけでも恐ろしい。
インクレチン関連薬の有用性の講演をした医師は、自腹を切ってでも、インクレチン服用で何もいいことがなかったとの報告がある、実は勧めたが臨床的メリットはあるかないかを知らないで、煽ったのは申し訳ないくらいの講演会を開くべきであろう。
健保組合も、臨床的メリットが特にない可能性のある薬に莫大な負担を強いられたと異議申し立てをするべきであろう。
インクレチン関連薬とSU薬の併用によって、糖尿病性認知症もどきの患者が増加していることに警鐘を鳴らそうと思って書きだした。折しも糖尿病には認知症が合併するとのマスコミキャンペーンがある。自分の治療で認知症もどきの患者を作り出し、自分の手落ちだと詫びずに糖尿病のせいにする。医療者側の自己保身のような状況、認知症と同じような異様な状況が糖尿病治療現場でも生まれると思う。嗚呼!
インクレチン関連薬とSU薬の併用の問題点について次回書く。いくらでも代替療法がある。

by rr4546 | 2013-10-10 18:11 | 医療関係 | Comments(0)
しばらくは、毎木曜日を「よき高齢者医療を目指して」を書くために充てることにしている。そうでもしないと書き終えれそうにない。
今の勢いから予測すると日本中に、早晩、認知症、高血圧そして糖尿病の高齢者が溢れる。経済的に考えても、わが国の大変な重荷になることは間違がない。今まで医療経済学的な観点について、まったく触れなかった。安かろう、悪かろうとの粗悪な医療を提案していると、誤解されるのを恐れたからである。最後の方で、医療経済学的な面も考慮した高齢者医療の在り方について触れる。
何も影響力のないしがない老健医が、こうあるべきではないかと大上段に構えて高齢者医療について論じる、論じなければならないこと自体異常なことではないだろうか。一般の方は、ボケ老人のたわごとと思われることであろう。実際患者団体に呼び掛けても何の反応もない。
それにしても可笑しい。当の患者は今受けている治療が何の根拠もないのに最善と信じて疑わない。
高齢者医療対策について国に確たる方針がなくて、なにか専門医集団に丸投げをしておけば、よきに計らってくれると、まことに無責任な厚労省の役人の態度が現在の荒廃した高齢者医療現場を招いたのではないだろうか。
世界的に認められた質の高い論文が多いと教授に選考したところ、まともな手術ができない。こういう医療界を揶揄した噂話はよく耳にする。この類のことが、高齢者のcommon diseases対策についても言える。
権威のある大家の話を聞けば、一般臨床医だけではなく、老健医も自分の腕が上がると信じている。
私は現場でやっていることを互いに出し合って、ベストな医療を提案する時期に来ていると、繰り返し主張しているが、老健の医師研修会も大家の話を聞く研修会ばかりである。全く参考にならないかと言えば、それなりに学ぶことはあるが、やはり一線では違うのではないかという思いをたびたび抱く。
Common diseasesは、実際患者を診ている医師がスペシャリストである。その分野の論文が多いかどうかなどは、臨床的にはあまり価値がない場合が多い。ねつ造データでも論文は出来上がる。
実際にその権威が患者を診療した上で、提案するものではなければ、すべて絵に描いた餅である。幻視と失認を区別しない権威がいる。
権威の語ることや、薬屋がスポンサーの講演会の情報だけを頼りに診療している臨床医に高齢者が大切な命を信じて預けている状況も、他人事ではあるが恐ろしいことである。患者も自分の体を慈しむ心があれば、もっと知っておくべきことが多いことを自覚するべきであろう。
高齢者の診療にだれが一番携わっているのであろうか。高齢者疾患を誰が責任を持って担うべきか、厚労省の官僚だけでなく国民全体が真剣に考える時がきている。

by rr4546 | 2013-10-03 16:37 | 医療関係 | Comments(0)