医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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血糖値は摂取食事量によって自在に変化する。血糖値が高いですねと説明すると、次回は何も食べてこられない。血糖値は改善する。時々測定していた食後2時間後の血糖値も摂取食事量によって変わる。患者は無意識に診察の前に食事制限をするのである。そこで食事摂取量に左右されないで血糖の動きをみる方法が開発された。
糖は蛋白と結びつき蛋白を糖化する。従って糖化蛋白の動きをみると、血糖の動きが把握できる。長期間の血糖値を観察するために血中半減期が長い蛋白の糖化程度を見る工夫が行われた。そこで選ばれたのが赤血球のヘモグロビン(Hb)のA1c分画である。赤血球の寿命は大凡120日で、一度糖化されたHbA1cは赤血球寿命の間、高値を示す。そこでHbA1c値は一過性の食事摂取に左右されないで過去1~2ヶ月間くらいの平均血糖値を示す。HbA1cと平均血糖値の関係は、
推定平均血糖値(mg/dl)=HbA1c(NGSP)%x28.7-46.7であることが、アメリカ糖尿病協会から示されている。興味のある方は自分の平均血糖値をこの式から求められたい。
本年5月熊本で行われた日本糖尿病学会は糖尿病治療の目標を新しく発表した。目玉は「熊本宣言2013 ―あなたとあなたの大切な人のために Keep your Hb A1c below 7%」である。これは従来学会から示されていた治療目標の「優・良・可(不十分・不良)・不可」の5段階の可の中の「不十分」!に分類される値である。患者を預かっていて、不十分と分類される値を目標とするものがいるであろうか。ヤブ医者の私でも当然「優」を目指して治療していた。6.6%以上を示す患者にカロリーを落とす食事をするよう、栄養士の指導に回し、経口糖尿病薬の定期的内服を厳しく言っていた。確か検査センターの報告書もHbA1cの正常値を6.6%以下として、それ以上の値に異常の印をつけるのが慣例であった。
新しい治療目標を見ると、一体私たちは何を根拠にして患者にHbA1c6.6%以下を指示していたのか冷や汗が出る。この値が示された時には、それなりの科学的根拠があったのであろう。しかし私の記憶する範囲では、数十年以上前から糖尿病の治療目標はHbA1c6.6%以下、今年の春までJDS表示であったので6.2%以下と信じて疑わないですべての臨床医が治療をしていたと思う。しかしわが国の糖尿病関連人工透析、失明そして下肢切断患者は増加こそすれ、減少はしていない。嗚呼!
いや糖尿病の権威たちは新しい糖尿病治療薬が出てから、確かHbA1c6.6%以下を目標にする大規模な治験を行っているはずである。かの医師主導で。医師主導というと聞こえがいいが、薬や検査そのほかは患者負担というだけである。薬屋主導では、治験する薬を無料で提供しなければならない。噂を聞いただけで詳細は知らない。私の空耳だったかもしれない。
長い間6.2%(JDS)以下にするために払われた医療資源や、不必要な食事制限で患者に与えた苦しみを思うとため息が出る。それで予後が改善していれば諦めつくが。何もいいことがなかったではかっての治療目標はブラックジョークということか。
新しい治療目標を出した以上、糖尿病学会のリーダーたちから、謝罪までは求めないが、何らかのコメントがあってしかるべきであろう。かくかくしかじかで強力な糖尿病治療を推奨しましたくらいの謙虚さがあっていい。そして現場の荒廃!
高齢者医療などに、実際老人を診ていない権威たちが口を出すのは弊害ばかりであることは認知症のところで語り続けた。高齢者医療はどの医師よりも高齢者を見ている世間から権威が認められていない老健医に任せるべきではないだろうか。私も仕事場に行けば、好んでいないが使命を持って、80人の何らかの疾患を持つ高齢者を見なければならない。アホでも高齢者疾患については、権威たちのできないさじ加減に磨きがかかる。
宣言と同時に新しい血糖コントロール目標値が出された。かって5段階であった目標が、1血糖正常化を目指す際の目標、2合併症予防のための目標、3治療強化が困難な際の目標の3段階で糖尿病の治療に当たるよう提言されたのである。これまた権威たちが期待するのに反して、悪意なく、間違って利用される可能性がある点に触れておきたい。
アホらしいことを書いていると、地が出て、品がなくなってしまう。仕方がないか。老年学会のような総説や提言が学会のホームぺージで無料に閲覧できるのに、国民病の一つと言ってよい糖尿病をリードする羽振りのいい糖尿病学会が、治療目標の変更の詳細を学会のホームページで閲覧できない。一日も早く、患者が恩恵を受けるようにと権威たちが願うなら、新しいガイドラインは無料で公開するべきであろう。本まで購入して患者のために腕を磨くほど、現場の臨床医は真面目ではない!薬屋のMRが購入して臨床医に配るのが慣例である。そんな水増しの販売量や得られた印税は胡散臭いことになぜ気がつかないのか。精々薬屋がスポンサーのホテルの講演会に出るのがmajorityである。講演会後の懇親会のご馳走は一流である。貧弱なものが出るわけがない。資金の出所は患者が払った医療費だから。続く。

by rr4546 | 2013-08-29 18:46 | 医療関係 | Comments(0)
高齢糖尿病患者に厳格な血糖管理を行うと期待に反して糖尿病関連死亡率や脳卒中発症頻度が上昇する、素人の方が不思議に思われる現象があることは、大規模な臨床研究で明らかにされている。高齢者の糖尿病治療はマイルドでいいとのコンセンサンスが生まれつつある。勿論逆な報告もある。
20数年前、40歳後半で肥満の男性糖尿病患者を外来で診ていた。HbA1Cの推移からみると、まーまー血糖はcontrol出来ていたが、腎機能のマーカーの一つであるcreatinineが月単位で上昇し、片手間で診ていては大変と糖尿病専門医に紹介した。一方60代半ばの女性でHbA1Cが10%(JDS)前後と驚くほど高値で、食事療法と治療薬の定期的内服の厳守を口を酸っぱくして言っていた。糖尿病性網膜症、腎障害そして末梢血管障害や神経障害が見られないが、インスリンが必要ではないかと、専門医を受診するよう勧めたが、いつも機嫌よく外来にこられるので気をもみながらfollowしていた。かくの如く小生の少ない経験でも、糖尿病患者の臨床経過は様々で、現在、糖尿病治療は患者毎にきめ細かく治療方針を立てておこなう時代になっている。特に70歳代でよぼよぼしている人もいれば、90歳を超えてもかくしゃくたる人もいる高齢者は一律に目標のHbA1Cを目指す治療は行われないことになっている。
ここまで書いて、酷暑の夏をぼやきながら、至福の時である4人の孫たちとシティーホテルに泊まり、御馳走を食べたり、アミューズメントパークやプールで遊び惚けて、続きを書くのをすっかり忘れていたのを思い出した。記録ずくめの暑さの中で集中力のいる仕事をするには歳を取り過ぎた。嗚呼。
いや、7月25日付きのMedical Tribune Circulation todayの循環器疾患版に、東京都健康長寿医療センターの荒木厚博士と順天堂大学順天堂東京江東高齢者医療センターの小沼富男教授が語ったことを「高齢糖尿病患者対策―低血糖や老年症候群の合併に配慮した包括ケアを」として記者―こういう医療ジャーナリストばかりであればいいのだが、お仕立券付き洋服生地や、ゴルフの誘いを楽しみにしている記者諸氏が多すぎる。あなた方が受け取っている額をはるかに超える不明朗なお金が医療界では動いているーがまとめたものを目にして、私が触れようとした高齢者特有の対応についての多くが書いてあるのを知って、専門外のものが大げさに語るのも気が引けたというのが続きを書かなかった本当の理由である。是非、高齢者糖尿病治療は手ごわいことを記事から読み取っていただきたい。時々低血糖発作を起こすから、砂糖をいつも身に付けるようにとの指示程度では思い掛けない副作用で患者を苦しめることになる。
来週から孫たちも学校に行く。私の言っておきたいことはゼロではない。糖尿病性認知症には、1低血糖による脳障害、2高血糖により引き起こされる血管障害からくる認知症、3アルツハイマー型認知症と糖尿病性血管障害の合併した3種類の発症機序の異なる認知症があること、低血糖を起こさない糖尿病治療の工夫、HbA1Cの値を信頼しすぎて糖尿病治療を行うことの落とし穴について触れておきたい。よき高齢者医療のために。

by rr4546 | 2013-08-22 17:26 | 医療関係 | Comments(0)