医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

<   2006年 07月 ( 1 )   > この月の画像一覧

A君、

 やっと「ダ・ヴィンチ・コード」を見てきました。キリスト教を冒涜していると批判のあることについてどう考えるかとの君のmailをもらったり、親しい友人が「ダ・ヴィンチ・コード」は読んだらいいと勧めてくれていましたが、手に取らず気になっていましたので、早速映画に出かけました。しかし歳のせいか、オーバーワークがたたったのか始まると同時に気がついたら「The End」。上映中ずーっと他の夢を見ていたらしい。これでは話にならないとまず本を読みました。

 これが友人が言っていたように面白い。聖杯や黒幕探しとサスペンス風の娯楽性満載。ダ・ヴィンチ・コードをはじめとする暗号の象徴学的な解読も知的好奇心をくすぐる。宗教象徴学専門のラングドン教授、暗号解読官ソフィー、大富豪ティービング、オプス・デイの信者シラスなどの登場人物の誰もが個性的で実際にいそうな人物ばかり。シラスは、十字架の苦しみをわが身にと、肉体を鞭や鎖で痛めつけて神に近づこうと励んでいる。今でも苦行を通して神に至ろうと願っている信仰者はいそうですね。イエスの隠された嘘か本当か迷う、ありそうな秘密?を舞台背景としているのも興味津々でした。ニュートン、レオナルド・ダヴィンチなどの大物がシオン修道会の総長を勤め、密かにイエスの血脈を守ってきた。フィクションもここまでスケールが大きいと、爽快。かって訪れた名所旧跡も多く、記憶を蘇らせながら一気というわけではありませんが、わくわくとしながら読み終えました。

 Entertainment作品として極上の部類と感心しましたが、読後しばらくするとかなり無理な教義で支えられているキリスト教の教えが現在の文明の行き詰まりを招いている、という文明批評的観点からの作者ダン・ブラウンの男性原理に代わって、女性原理の再評価をというメッセージが強く頭に残り、いろいろ考えさせられました。娯楽性だけでなく、現代の直面している難問に対して直截ではありませんが、ある解決の方向を暗示している。多くの読者を獲得するのも無理からぬと思いました。作者は大上段には説教しませんが、預言者的なセンスを持つ人物に違いない、今後の活躍を期待しました。

 それにしてもキリスト教信仰について無縁な生活をしている日本人がイエスの隠されていた秘密を題材にして書かれた「ダ・ヴィンチ・コード」の映画にせよ本にせよ広く受け入れたのは、不思議な感じがします。何せ無信仰が95%以上で信仰について興味を持っている日本人は限られていますからね。女性のイスラーム学者が講演の前に「日本人が死者儀礼を仏教で行い、初詣に神社に出掛ける宗教的行事を大切にしながら、宗教を『常人に到達しがたい高尚な精神』あるいは『健全な人には無縁なもの』とイメージして、日本人には無用なものとしている。特に一神教嫌いが特徴である」と私たちの宗教観についてまとめていたのを思い出しました。

 しかし君のような若者が、「ダ・ヴィンチ・コード」のどこにキリスト教を冒涜するところがあるのだろうかと疑問を持つ。

 せっかくの機会ですので、何か気の効いたことをいいたいと色々考えてみました。「ダ・ヴィンチ・コード」に対して一部でボイコット運動が起こったことが説明できるかもしれませんね。

 その前に私たちが苦手な血生臭くて、独善的であると批判している一神教と呼ばれる宗教、ユダヤ教、キリスト教そしてイスラーム教がどのような関係にあるかについて説明しておきたいと思います。なにせユダヤ教徒、キリスト教徒そしてイスラーム教徒は旧約聖書に書いてあるアブラハム、イサクそしてヤコブの神と呼ばれる神を信じているのですからね。キリスト教を理解するためには、ユダヤ教からなぜキリスト教が生まれたのか、同時にキリスト教の問題点を理解するためには、なぜキリスト教からイスラーム教が誕生したかについて知っておかなければならない。そしてイスラーム教徒がジハードと称してなぜやすやすと自爆テロを行うのか。そのあたりに触れないで、イエスに子があったことが信仰上問題になることについてはまったく理解できないでしょう。続く
                                                          平成18年7月28日 

by rr4546 | 2006-07-27 17:22 | 宗教 | Comments(0)