医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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ベストセラー

ベストセラーー無思想の発見・国家の品格
                   
                             平成18年2月10日

 最近の話題作を読んでいると謙遜な気持ちが持てないで、不遜な気持ちのまま大人になった人たちがこんな浅ましい醜態を演じるのかがよく判って、何か痛々しい感じがする。「バカだ、バカだ」、「品格がない」そして「すべてが空なのに執着ばかりしている」と自分を戒めているならともかく、他人様を貶めるためにこれらを繰り返しているから往生する。それを世間が広く受けいれる。解剖学者、数学者、元生命科学者そして私たちは多分同じ知の枠組みを持っているのであろう。ただ彼らのよく売れている著作を翻訳して広く世界に紹介すると大国には従順になるが、隣国とは打ち溶けて付き合えないのは日本人の持っているmentalityからくると早とちりされて、変な日本人観が一人歩きしてしまうのではないかと心配である。
 
 アメリカ大統領を初めとした外国の政治家が日本人相手に外交を展開する時、ブレインたちは何を参考にして「日本人は・・・」とティーチインしているのであろうか。解剖学者、数学者そして元生命科学者たちが語っている自尊心を擽るような寛容で自然にやさしい惻隠の情のある日本人論ではなくて、ジョン・ダワーやルース・ベネディクトが明らかにした日本人論を基にして「日本人は・・・・」と講釈をしているような気がする。そして私たちが進言通りに反応するのを知って驚くことであろう。
 
 我々の思い描く日本人と外国人の見た日本人がこれほど違っていていいのだろうか。一概にどちらが正しくてどちらが間違っているとは言えないけれど、わたしたちはもう少し冷静沈着な自己認識を持つ時が来ているように思う。大人の歩みは、正しい自己認識を持ってしか始まらない。おいおいこういう見方もしていいのではないかということを紹介したい。根拠のない自尊心にしがみ付いて、一神教世界の独善性と血生臭さと市場原理主義を罵倒したり、援助を受けているのに反日運動をしている死者にまで唾する中華思想の国の阿呆などということにうつつを抜かしていると、いつの間にやら自分が本当に空っぽになってしまうような気がする。複雑な身体技法を使って自分だけが解脱したと信じて、周りの健全な人たちを煩悩の中にいるとサリンを撒いたオウム信者や、社会が悪い、どうして世間は俺の才能を判ろうとしないと荒れている不良少年まがいの人たちばかりが溢れては悲しい。彼らは同じ種類の人間だと思う。解剖学者の願うような世間体を大事にした家父長制の国や数学者の憬れる儒教国家になることだけが将来の希望では余りにも寂しすぎる。昔よく揶揄された「井の中の蛙大海を知らず」の類の人にならないようお互いに戒めあわなければならない。
 
 自分にではなくて、周囲の人たちの立ち居振る舞いばかりに苛立って、正論を吐いていると信じて疑わない人ばかりが溢れる可笑しい国にしてはならない。人のことよりわが身が大事である。

by rr4546 | 2006-02-10 00:40 | 日本人論 | Comments(0)