医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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寄り道  ADASとSIB No5 ADASで認知障害のどの領域が改善されたかが明らかにされたのか? No2

Alzheimer型認知症(AD)患者の認知障害は脳中のアセチルコリンの低下によって引き起こされているという仮説に基づいて、軽度から中程度のAD患者にアセチルコリン分解酵素阻害作用を持つ脳中のアセチルコリンを増加させる薬、アリセプト、レミニールそしてリバスタッチ(イクロセパン)が認知症薬として臨床の現場でよく使われている。これらの3種類の薬はいずれも実地医家の観察では臨床効果は認められないが(正確に言えばアリセプトはあるとのデータを出している?)、ADASなどの薬効を見る認知機能検査で検討すると、偽薬に比較して投与群に有意の有効性が確認できるということで、認知症治療薬として認可された。
臨床的観察では有効性が認められないが、ADAS検査では効果が認められる。私のようなぼんくらはADAS検査がアセチルコリンの増加による薬理作用(効果や副作用を含めて)だけに高得点を与えて、意図的に薬の効果を水増ししているのではないかと邪推してしまう。そうとでも考えなければ、ADASで明らかにされた有効性が、患者の臨床的改善に結びつかない理由が理解できない。
そこでADAS検査のどの項目に効果がみられたのかの詳細について治験データを眺めてみた。驚くことばかりで一気に書くには自身の精神衛生上よくない。少しずつ書き進める。これは怠惰の言い訳でもある。
まずADAS-J検査の概略を紹介する。ADASは以前にも紹介したようにAlzheimer’s Disease Assessment Scaleの略称である。ADASは1983年!にMohs,R.C.により開発された(Mohs et.al:The Alzheimer’s Disease Assessment Scale:an instrument for assessing treatment efficiency. Psychopharmacol Bul 19:448,1983)認知能検査である。この方法に基づきわが国の文化的背景を考慮に入れてさらに問題点を改変してADAS-J cogが作成され(本間昭他:老年期痴呆の臨床評価法―変化に関する全体的評価とサイコメトリックテストー 老年精神医学雑誌 10:193-227.1999)、認知症薬の薬効判定に広く使われるようになった。私をはじめ実地医家は認知症薬のADAS-Jのデータを見せられるとその詳細を知らないまま、認知症薬の有用性を信じてしまう。認知症薬の効果を実地医家に説明するために、ADAS-Jは黄門さまの印籠にようによく使われている。驚くべき説得力である。ただこれも以前に述べたように中程度から重度の場合はADASで薬効が判定できない。一体ADASは何を明らかにしているのであろうか。そのデータはいずれこのBLOGでスライドとして紹介する。真面目な実地医家がころりと信用するカラクリがお分かりになると思う。
次回はADAS-Jの詳細を説明して、どの領域項目に効果がみられたかについて紹介する。
データの読み違えや、誤解が次々見つかるに違いない。これから論ずることは、主に製薬会社の医師に対する製品概要に記載してあることに準じて説明するので、どんなことでも是非指摘していただきたい。文献をしっかり読む能力は年相応に劣化している。この原稿を書き進めるための文献を整理するだけに大部分の時間が取られる。嗚呼! 



by rr4546 | 2016-09-09 18:26 | 医療関係 | Comments(0)