医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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寄り道 家庭医認知症対応力研修ーボトムアップの対策を!データの使いまわしか?介護士への敬意と感謝を!

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2月27日京都府医師会主宰の「認知症対応力向上」研修に出掛けた。近々認知症患者が750万人に達すると予測されているので、厚労省の老健局が、総力を挙げて認知症患者が巷に溢れることのないよう、対策を立てているのであろう。
ただ「診断と治療」編で話された抗認知症薬の効果については、久しぶりに5,6年前薬屋主導の講演会でたびたびみせられた(図)、いかにも抗認知薬が有効であることを示すスライドに再会した。最近抗認知症薬の話題は5,6年前に先祖返りして、早期に投与すると7年間も元気だとか、一般の人や不勉強な一般医がみたら、飲まねばならないと脅迫観念に捉えられる、実態とはかけ離れているがマインドコントロールされる印象的な話が蘇っている。
思わず演者に症状の改善がコリンエステラーゼ阻害薬投与でみられたとの成績は何を根拠にいえるのかと、司会者(京都府医師会理事西村博士、博士は京都地区全体の認知症対応に熱心に取り組んでおられる。土曜日、日曜日も各地に出掛け、医師の研修や市民講座をこなしておられる。成果が出ればいいが)に無断で質問した。縦軸は臨床症状の改善ではなくて、ADASあるいはSIBのスコアーの改善ではないかと。
このスライドを作成した認知症専門医は、本当にこのような抗認知症薬の効果を実感しているのだろうか。手応えを持ちながら、次々出てくる抗認知症薬の治験の際は、placebo(偽薬)群に無投薬で新しい薬の効果を判定している。効果ある薬があると主張しながら、その薬を投与せず、新しい薬の効果を検討している。
さほど効果がなかったのを知っていたので、新しい治験の際は、平気でその薬を投与しないで臨床研究を進めたのではないか。患者に利益があることを知っていて、投与しなかったとすれば、犯罪に近い臨床研究と考えるほかない。
最近薬屋主導の講演会でも見かけない、いかにも抗認知症薬が臨床効果があるとのスライドを全国のかかりつけ医の研修に使う意図はなんであろうか。専門家は軽々に素人が誤解するような情報を振りまくべきではない。これも認知症患者を詐欺に会わせる一つの例であろう。
コーヒーブレイクに演者(澤田親男博士)に、あのスライドはおかしいですよ話しかけたところ、このスライドは研修会のために国が準備したスライドで、そのスライドを使って研修会をせよということですのでと苦笑いされていた。
認知症のような一般医家が診る機会の多い疾患についても、足とり手とり治療をはじめとした対応のスライドも原稿も国が準備したらしい。あれやこれやと指示を与えなければならないほど医師は阿呆か。そうであれば医師免許を取り上げよ。このような研修会で患者を診る実力が養われるとは到底思われない。
認知症のような特別の疾患でないポピュラーな疾患は、トップダウンで対応を指示するのではなく、認知症患者によく接する、物忘れ医、認知症に興味のある神経内科医・精神科医そして長時間多職種とともに認知症患者と接している老健医・介護士そしてケアマネの心ある人、いやいや身近に患者や家族の方と接しているので忘れていた、当の主役である認知症の患者(詐病や誤診は除く。多くの場合議論に参加できないが・・・)と認知症患者を抱えて困っておられる家族(「公益社団法人認知症の人と家族の会」に関わる人は除く、彼らは何者か。一番世話になる介護士に対して冷淡である。彼らが正しい運動をしていれば認知症患者はもっと大切に扱われていた。参考になればと思い手作りの資料を送るが、返事すらよこさない)のかたを集めて会をもち、そこで議論された内容を、実地医家が共有できるシステムを作るべきである。勿論その会に何も勉強しないで、薬屋からの情報だけで認知症に精通したような顔をするアホはいれてはならない。現在の認知症現場に権利ばかりを主張して問題を感じていない人も当然除く。認知症患者のよりよい対応を、ボトムアップで練り上げねばならない。
我々はどの世界でもボトムアップよりトップダウンを好む。情けない。何か権力側につくと、そちらの情報を無条件に信頼する。権力と正義は別物である。われわれのメンタリティーを考えると、わが国には患者中心とか多職種協同など、本来あるべき医療環境は育っていかないように感ずる。浮世離れなことをしていても、それを自覚できない人たちを止められない。
今回の講演とスライドを作ったのは「かかりつけ医および一般病院医療従事者の認知症対応力向上研修に関する研究事業編」となっている。具体的にかかわった専門職の方の名前は挙げられていない。お化けである。
BPSDの対応といい、今回の向上研修という、どなたがつくったかまったく公表されていない。隠しておく必要があるのであろうか。今はバスの運転手の名前も衆目のみるところに掲示してある。匿名は無責任を生む。是非これらの研究事業に携わった医師名を公表してもらいたい。お化けと議論してもよりよいものは出来上がっていかない。嗚呼!
若年性認知症についても話があった。若年性認知症の診断で家の購入に使ったローンの返済免除を受けたとの話を聞く。若年性認知症と診断されれば、医療費の補助、身体障害手帳の交付、障害年金の支給、場合によってはローンの返済免除が受けられるという(認知症の家族の会ホームページ参照)。思いもかけない病気に襲われたのだからそのようなセーフテイーネットを活用する権利があると思う。ただ詐病で甘い汁を吸おうという人がいないとは言えない。認知症の診断は正確に行うべきであることも学んだ。
5,6年前に使われていた、たしか小田陽彦博士に教えていただいたスライドを念のために掲げておく。最近は厚かましい製薬会社も恐ろしくてこのスライドを使わない。それにしても研修で使われたスライドと似ているな。作成者が同じなのであろう。薬屋のセールスマンをしていた認知症の権威が、最近は国の委託事業で活躍しているのであろう。いいおっさんで懲りない人はどこにもいる。小保方博士のようなにデータの使いまわしはよくない!
充実した介護を受けている患者の病状の進行は実に緩徐である。
介護施設で虐待急増で指導だそうだ(朝日新聞3月8日蔭山晴子)。そういうこともないわけではないであろう。身近な介護士にそのようなそぶりは微塵も見られない。高齢者が家人から、あるいは病院(精神病院を含む)の医療スタッフから壊れた機械扱いされて虐待に近い扱いを受けているのはよく聞くが。
厚労省の老健局は高齢者を守るために解決すべき本質を全く理解していない。地域連絡協議会からも実情をよく聴取せよ。認知症患者の地域での見守りは、ケアマネ―を中心にしてデイセンター、デイケアーそしてかかりつけ医と介護施設でほぼ完璧に行われているように思う。患者が施設で虐待まがいの仕打ちを受けたら、担当ケアマネーが迅速に対応して解決する。認知症患者は現在でも2重・3重とあらゆる職種によって守られている。現場の状況を見よ。これ以上守られている患者がわが国以外にいるとは想像できない。
何も現場を知らないで仕事をしているつもりとは。一体彼らは何様のつもりでいるのであろうか。アホにお金(税金)と権力を持たせたら何を仕出かすかわからない。嗚呼!
わが国で高齢者にやさしい社会の実現は夢のまた夢であろう。老健局の役人の振舞いはわたしから見れば狂気に近い。積み上げてきた成果に対する理解も全くない、現在の問題点に対する洞察もない、その上、現在の介護保険を立ち上げた役人の持っていた構想力も全くない。何か目新しい美味しい企画はないかと、聞きかじりで次々一貫とした文脈のない見栄えがいいと独善的に思い込んだ政策を次々と取り上げ、実現していく。高齢者対策は安倍内閣の目玉か、しかし実態がこれでは、高齢者対策を自覚しないまま破壊されていくと思う。高齢者たちはお金に執着の強い医師たちや、利潤を上げることを義務つけられた製薬会社の餌食になって、高齢者医療費は際限なく膨らんでいくことであろう。
間違った権力を振りかざすのではなくて、老健医が指摘していることにまともに答えよ。わたしの身近な介護士は3Kといわれる職場で、実に誠実に仕事をしている。彼らの献身がなければ、認知症をはじめ介護を必要とする高齢者には居場所がないであろう。厚労省の先輩の偉業に唾をして、一体どのような構想をもって、わが国の高齢者対策を進めようとしているのであろうか。馬鹿力と功名心だけでは問題は解決しない。
治験好きの権威も、抗認知症薬の臨床効果に投薬群とplacebo群で差がみられなかったのは、介護が充実したことによると論じている。挙げた論文のどれかで。何故この重要な指摘が、認知症を診ている医師の間で真面目に取り上げられないのか、不思議でならない。
役人やマスコミは介護について悪口で姦しい。彼らは介護の現場を知らないし、見ようともしない。介護に携わる若者はますます減少していくであろう。介護士の社会ステータスーは低い。その上薄給である。彼らに感謝こそすれ、彼らの人格を傷つけるような、指導や報道はそっとするべきであろう。この指導を指示した役人や、現場も見ないで介護士を貶めるような記事を書いたジャーナリストは介護士の世話になるべきではない。車椅子を自分で運転して、排泄や食事を死ぬまで自分でやりたまえ。
数年先の高齢者がどのように扱われているか考えるだけでも憂鬱になる。少量投与について書き終われば、このような状況とはおさらばである。
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Commented by 寮美千子 at 2016-03-03 22:27 x
お久しぶりです。ブログ、わたしのFacebookページで紹介させていただきました。みなさん、さまざまコメントをくださっています。介護で第一に大切なのは「人」ですよね。つくづくそう思います。
by rr4546 | 2016-02-29 10:53 | 医療関係 | Comments(1)