医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

CIBICによる抗認知症薬の薬効判定ー抗認知症薬は本当に効果があるのか?

抗認知症薬の薬効判定については問診によるADAS検査が軽度から中程度の患者に、SIB検査が重度の患者に用いられるのが一般的である。同じAlzheimer型認知症(AD)の患者の薬の効果が重症度によって異なる方法で行われる理由についてはおいおい述べる。
AD患者の認知障害やADLの障害の程度は、ADASやSIBのような患者の問診式より、家人、介護に当たる介護士そして医師による観察式のほうが病状の把握にはるかに有用であることはすでに述べた(拙著「症例から学ぶ高齢者疾患の特徴とその対応」p25~p40,2011 金芳堂)。
薬効も第三者による医師、家人そして介護士が客観的に観察して判定するほうがより実際的な効果について明らかにできるであろう。そのために用いられるのがClinician's interviewーbased impression of changes(CIBIC)である。勿論変法は患者の面接で得られるMENFIS検査のデータも加味されて判定されるが。
その詳細と有用性については近々に述べるが、今日は製薬会社が薬効判定として提供している資料が職場のcopy機で取り込めることがわかったので、ここに公開しておく。
治験に携わった認知症専門医はCIBIC検査では一つの薬(軽度から中程度ではCIBICではなくてそれに対応するとされていたCGICを使用しているが)以外、他の三種類の抗認知症薬の臨床効果はplacebo(偽薬)とまったく差がなかったといっている。直截に言えば抗認知症薬には、みるべき臨床的な改善効果はないということである。
詳細については近々。
今日はuploadできた、現在よく使われているメマリーとレミニールのCIBICのデータを示しておく。
CIBIC以外のおいおい述べる問診式の検査法で薬効が過大評価されれば―このことについてもおいおい述べるー、少量投与で認知症が治せるあるいは、米ぬか(フェルガード)ですべての認知症患者の臨床症状を改善させるという自称認知症専門医が現われ、またその医師のご託宣通りに治療を行う実践医が数百人も出てくるはずである。薬効(薬効ではない、患者の臨床症状を改善させなければならない、当たり前であろう)を過大に示すために、自分の知識を悪用する認知症の権威と、その胡散臭さを見抜き、独善的な認知症治療学を打ち立てている二人の医師には共通する魂胆が見え隠れする。彼らには患者のためという決して蔑ろにしてはならない視点が欠如してるように思う。勿論製薬会社の支援で、地域での認知症対策に取り組んでいるわけのわからぬ勉強会を熱心にしている医師も同罪。
抗認知症薬の治験に携わった医師たちや、その成績を十分理解しないで製薬会社に言われるまま認知症薬をがばがばと投与している実地医家、そして少量投与を実践している医師たちの頭の中は私の想像を超えている。絶句せざるをえない。
CIBICによる薬効判定のデータを見ているといろいろなことを考えさせられる。効果がないと判定された薬が、なぜ現在のように売上高何千億円に上るほど患者に処方されているのであろうか。何かトリックが隠されているに違いない。ある。それについておいおい述べる。参考のために宣伝の使われるレミニールのADAS-JとレミニールのSIB-Jの成績もアップロードしておく。CIBICのデータとの違いを見ておいて頂きたい。
認知症専門医や物忘れ医はどちらのデータに基づいて治療を行っているのであろうか。副作用がなければ自分に好都合な解釈のもとで、治療を行ってもいいが。それにしてもADASやSIBの成績を見ていると、使いたくなるな。70点満点評価のADASのわずかな改善率とその内訳や、100点満点評価のSIBのやはりわずかな改善率とその内訳を物忘れ医はよく理解しているのであろう。ほんまかいな。
写真はクリックして頂くと鮮明に見て頂けると思う。


f0051303_16203654.jpg

f0051303_16211676.jpg
f0051303_12595086.jpg

f0051303_13291365.jpg

Commented by 小田陽彦 at 2016-02-09 07:58 x
 レミニールとイクセロンの添付文書にはCIBICの各項目の人数とパーセンテージまで記載されていますね。メマリーは平均値とp値だけですが。アリセプトは軽度-中等度ADにはそもそもCIBICをやっていないですね。担当医以外の臨床医を置くのが困難、というのが理由みたいです。
 いずれにしても主要評価項目でプラセボと有意差がなかったというのは添付文書に明確に記載されているので、抗認知症薬を処方する医師にとっては必須の知識だと思います。添付文書記載事項を知らずに処方箋を書くのはいかがなものでしょうか。
by rr4546 | 2016-02-08 14:39 | 医療関係 | Comments(1)