医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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Alzheimer型認知症の早期診断 No9  最後に残されたビッグマーケット No1

Alzheimer型認知症は脳の中で病理学的異常が出現してから、臨床的に認知症と診断されるまでには10年とも20年とも言われる長い時間が必要であると考えられている。
発病の経過からいえば、最終ステージでの対応でしかない現在の認知症治療を、早期に開始して認知症の克服に取り組むことが、患者のみならず医療関係者から強く望まれていた。
そして早期診断そして早期治療という錦の御旗のもとで、早期診断を確立する研究が国(厚労省、経産省―医療に関することにもかかわらず経産省が入っていることに注意されたい)や製薬会社(企業が入っていることにも注意されたい)の支援でわが国でも2007年から進められていた。その一つが今回改ざんを指摘されているJ-ADNI研究である。
J-ADNI研究統括責任者が内科学会、老年学会あるいは認知症学会で早期診断に有用なデータが積み上げられている旨の講演や総説論文を書いていたので、早期診断に懐疑的な私もそれなりに期待していた。現在はJ-ADNI研究成果の上にJ-ADNI2という新しい研究が進められている。J-ADNI研究で得られた成果の上に、さらに研究を発展させようとの試みだと思っていた。
残念なことに、難病克服という高邁な目標をもって始まった国家projectでマスコミ報道のように多くの改ざんが行われていたらしい。詳細は研究当事者でないので知らない。
改ざんでかなり誤診が紛れ込む可能性の高い早期診断をより精度と特異性の高いものにしようとしたのか、発症の危険性がほとんどない症例を早期のAlzheimerと診断して、抗認知症薬の治験の際に偽った有効性を出すことに有利に取り計ろうとしたのか。
現在の認知症医療現場をみると、患者にメリットがあるというよりは、一般医家が安易に認知症と診断する知識が垂れ流されたり、かなりの進行遅延効果があるかの如くの専門医の解説ばかりが幅を利かせて、安易な診断が行われていたり、抗認知症薬の効果判定がないがしろにされたり、意外に多い副作用が見落とされている。現在の認知症治療は患者にとってあまり恩恵があるように思われない。患者を治療するというよりは、食い物にしているほうが勝っている感じである。
早期診断の共同研究者ではないので、どのような意図で改ざんが行われたかについて詳細は知らない。医師向けの情報誌から改ざんの二三を抜粋して、何のために改ざんが行われたかについて考えてみたい。

by rr4546 | 2014-05-08 19:56 | 医療関係 | Comments(0)