医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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Alzheimer型認知症の早期診断 No4  超早期治療

アルツハイマー型認知症を発症した時には、すでに脳の中に老人班ができ、神経原線維が変性し神経細胞が死滅していると考えられている。脳の病変は臨床症状が出現するかなり前からあるのは容易に想像できる。脳は可塑性が強く、障害を受けても見掛けは正常に働くからである。
臨床症状が出現してから、現在使われているアセチルコリンを増やす3種類の薬あるいはNMDA受容体チャンネル阻害薬1種類のいずれかあるいは併用を行っても臨床効果はほとんどみられない。成果が得られていれば認知症のためにG8サミットを開催し、現在進められているような大掛かりな国主導の認知症対策など行う必要はない。
今の治療ではどうもこうもならないので、専門家いやマスコミまでが、認知症の早期診断、いや今では超早期診断の必要性や超早期治療の開発などを叫んでいるのだと思う。現状を正しく憂いて―今の治療では認知症対策にならないと理解してーまっとうなことを論じながら、臨床の現場では、早晩見捨てられる可能性が高い抗認知症薬がじゃぶじゃぶと処方されている。私のようなものには現在の認知症医療がどのようなロジックで進められているのかまったく理解できない。
抗認知症薬が高価であるから文句を言っていると勘違いしている向きもあるようであるが、最近出ている新薬の中では、安いほうである。高価だからと使用を躊躇する類のものではない。もし高価だからとビビッて処方しなければ、医師として義務を果たさなかったとして世間から厳しく糾弾されるであろう。いや医師としてあるまじき振舞いをしたとして、孫にバチが当たったり、枕を高くして寝れなかったりして、大変な重荷を負わされていることであろう。最善の医療を行うのが医師の務めである。
ただ京都府医師会誌か西京区医師会誌のいずれかに書いたが、「権威たちが原子力村や認知症村と呼ばれる村社会を作り、身内だけで通じる話に夢中になって、大惨事を招いたり、現場で働いている私どもを右往左往させたりしている・・・・」
との思いの延長線上で、あれやこれやと認知症医療の現状に異議申し立てをしているだけである。
いやいやJ-ADNIの国家projectが本当に認知症対策になるかについて考えてみたいと岩坪威先生の「Alzheimer病の超早期治療を目指して」の論文を紹介するつもりであった。タイトルを読んで、「超早期治療」という言葉に躓いてしまった。病理学の権威の論文だから、超早期診断と謳ってあれば読んでみたいと思うが。
認知症の早期治療はすでにあったのか。超早期と謳われている以上、早期治療があるのであろう。
結論を先に言うと、現段階では、早期診断も早期治療も信頼できる類のものはない。従ってJ-ADNIいや今はJ-ADNI2の研究が進行中であるが、急いで紹介しなければならないものは何もない。気分がそがれた感じである。
昨年は同郷で同窓の岐阜で急性期病院や介護施設を展開している畏友宇佐美一政先生から、「病院たより」を書いてくれとの依頼を受けた。それから京都医師会そして西京区医師会からも新春随想とのこと、忙しかった。
先週、宇佐美先生から校正用の初校原稿を受け取った。偶然であるが昨年9月群馬で行った「高齢者医療について」の原稿も届き、早速校正を行った。本を出してから、これだけ多くのことを学んだ。嗚呼!
その中で、宇佐美先生の病院たよりは患者さん向けである。校正を済ませて、先生のところで配布が済めば小生のBLOGで紹介する旨のお願いをしておいた。いずれここでも紹介する。
寄稿文を載せる際に小生を紹介してくれている文も添えられていた。約束を違えて申し訳ないが、私の気持ちを的確に書いてくれているので、それを紹介しておきたい。先生フライングを許してくれたまえ。
「泰玄会ニュース春号をお届けさせていただきます。 本号には神戸大学名誉教授寮隆吉博士にご寄稿いただきました。 寮教授は大学時代は血小板機能の制御機構、巨核球の分化、巨核球性白血病そして輸血医学の研究の第一人者としてご活躍で大学退官後は老人問題、特に認知症について深い洞察を加えられ数々の著作を世に出しておられます。 今回は後者につきましてご寄稿いただきました。 寮博士の視点は私達に老人問題という命題につきまして深く考えさせるものがあると思います。お読みいただけましたら幸いです。」

      
by rr4546 | 2014-02-13 15:01 | 医療関係 | Comments(0)