医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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認知症G8サミット雑感―マスメディヤの役割

大学で研修を始めた時、老年科でお世話になったN先生に松本の認知症学会場でお会いした。N先生はその後広島大学に移られ老年学の教授を務められ、認知症分野のリーダーのお一人である。ご退職後京都の某病院の認知症関連の研究所の責任者を務めておられる。
研修医時代以降(もう40年以上もたった!)、全く接触がなかったがお見かけしたので懐かしくて声をかけた。覚えていてくださったようでーいや何者かわからぬまま相手をされたのかもしれないー、少し話を交わした。「認知症医療現場はむちゃくちゃですね」などをお話ししていたら、「先生の本を送ってください」―実は手元にないのでまだお送りしていないーと頼まれた。
話の中でG8、G8と出るので、目を白黒させながら、一体それは何ですかとお尋ねしたところ「認知症G8サミット」が今秋ロンドンで行われるという。どんなメンバーが日本から行くのですかとお尋ねしたがはっきりした答えをいただかなかった。ただ京都にもG8サミットの支部ができると、少し顔を曇らせられた。N先生は認知症G8サミットの京都支部設立に関っておられるのであろう。ご苦労様。
本当にそんなことが行われるのかと思っていたら、この数日の報道でN先生がおしゃっていたことは事実であることがわかった。英国のキャメロン首相がサミット開幕を前に、「認知症を克服するのは世界の重要課題である。各国、産業界、科学者たちが協力しなければならない。今回の会議で、現状を打開する方策を打ち出せることを期待している」と熱く語っているのをBSの海外ニュース番組で見た。彼が認知症は生活障害病であり、現段階では有効な治療法がないことををよく理解して上で、この会議を主導しているのを知って安心した。
日本は認知症対策をうまく行っているのではないだろうか!?。NHKの番組で認知症患者が、マラソンをしたり、紙芝居をしたり、同窓会の司会をしたり、観光案内のボランティアをしたりしている状況が流されている。専門医たちが認知症の薬物治療について楽観的に解説している。抗認知症薬の名前は素人の方でも知っている。
認知症サミットにNHKの認知症関連番組をもっていけば、G8の代表も仰天するかもしれないが認知症対策に希望を持つのではないだろうか。
ただ12月9日NHKTVの福祉番組で、「シリーズ認知症『わたし』から始まる 町永俊夫レポート イギリスで認知症国家戦略を考える」を見て、福祉番組の関係者たちが実際の現場を知らないまま、自分の思い込みでーあるいは医療マフィアの耳打ちに操られてー番組を作っているのがわかって恐ろしくなった。番組担当者はこの町永氏の報告が日本の認知症対策に益すると考え放映したのであろう。
一つは認知症認定看護婦が患者の自宅を回って、治療方針をアドバイスしているところ、もう一つは認知機能障害を持つ患者が、日本でいえばデイサービスのようなところで集団生活をしているところ。
少なくとも番組で見ることをわが国のほうがはるかにきめ細かく行っており、英国からの報告で参考にするところは皆無。英国への出張費はだれが負担したのだ。
わが国にも認知症認定看護師や認知症ケア専門士が活躍している。ただ資格を取るための参考資料や講義内容を見たが、認定を判定するお偉方が認知症について誤解というのか、無理解で認知症に関する知識を本当に伝えているのか疑問。彼らが認定料まで出してスキルを磨いているのに、認定するほうはそれに応えていない。参考資料や講義より先生の「認知症とは?」という2,3枚のメモ書きで認知症が理解できたといってくれる。
そして訪問看護、訪問リハといってかれらが自宅まで出かけて患者の治療・介護の相談に乗っている。そのうえ介護保険の対象となるとケアマネがきめ細かく介護計画を立てている。英国の何を参考にせよというのだ。
ハンディキャップのある高齢者や認知障害のある患者はデイケアやデイサービスといって、私が一番有効だと思う、集団での生活を楽しんでいる。英国のようなみすぼらしい場所でわが国の認知症患者はケアを受けていない!やはり我が国のほうが上を行っている。
町永氏そしてNHK福祉関連関係者は認知症関連番組作りに長く携わってきた。今紹介したようなわが国が世界に誇っていい認知症対策を知らなかったのだろうか。
英国からの最新報告でもアリセプト・アリセプトと番組では繰り返している。アリセプトは商品名である。アリセプトの宣伝番組か。その上2剤の治療が重要だと伝えている。薬屋の宣伝番組か。番組を監督している上司はいないのか。上司も丸め込まれているのであろう。繰り返すが英国への取材費は誰が出したのだ。視聴者である。
抗認知症薬がかなり臨床的に有用だという啓蒙活動に大きな役割を果たして、認知症治療現場を荒廃させている。わが国の認知症対策のイロハも知らないで番組作りをしていれば致し方ないか。それにしても認知症に携わる専門医たちが何も発言しないのは不気味なことである。
わが国が遅れているのは、認知症専門医たちの認知症臨床に対する無理解を放置していること。素人の方がアリセプトが夢の薬かの如く誤解して主治医にアリセプト、アリセプトと駄々をこねていること。地域にきめ細かく設けられている認知症対策協議会が、製薬会社の主導の下で患者に役に立たない認知症の勉強会をやったふりをしていること。認知症認定専門医や物忘れ相談医の認知症に対する知識不足。システムは世界に誇っていいが、その利点を十分活用していない!
しかしこのような欠陥は誠実に認知症に取り組めば今すぐにでも解決できる。そのことを私は提案し続けている。しかしお偉方は動かざること山の如し。私のような凡くら医が眦を決して叫び続けなければならない。嫌われ役を好んでしているのではない。
一体彼らは何を目指し、認知症医療に携わっているのであろうか。キャメロン首相の情熱と危機感を見習わなければならない。

by rr4546 | 2013-12-12 16:13 | 医療関係 | Comments(0)