医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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よき高齢者医療を求めて No.6  入所判定  No.2 介護拒否

急性期疾患を除いて、身体ならびに精神に慢性的な障害を持つ高齢者が在宅で療養できない場合は老健、介護療養型医療施設、グループホームそして特養などの施設に入所することになる。それらの施設は、前回述べたように入所判定会議という預かるところの都合で入所が決まる場合が多いことを紹介した。
判定会議がある一つの理由は、わたしの働く老健の例でいえばー念のために言っておくが、私の働く施設は面倒な患者だからという理由で入所を認めないということはしていない。他の施設ではできないことをして自分たちのスキルを磨こうという目標を持っているー、かかった医療費の全額が介護保険から支払われるのではなく、包括、言葉を換えていえば、医療費がいくらかかろうと患者の介護度によって一定の金額しか支払われないために、多臓器の疾患があり投薬などの治療費が巨額に上る患者は引き受けない、なるべく医療に手がかからない患者を選択するという、誠にむしのいい施設側の事情をあげることができるであろう。一定の支払しか受けられなければ、下剤だけを投与すれば事足りる患者を集めるという邪な動機が働くのは致し方ないか?もう一つは、認知症で介護拒否、不穏、昼夜逆転などのBPSDが激しい場合は、矢張りその人の介護に手が取られ、他の入所者の介護がおろそかになり、施設の秩序が維持できないとのこれまたもっともらしい理由で入所は認められない。
この二つの理由はいずれも、高齢者医療と介護がどうあるべきかについて、国民一人一人が真面目に考えてこなかったことによって、生み出された育児放棄ならぬ、高齢者放棄とよんでいい事態だと思う。
私は、医療費・介護料が出来高払いではなく、常識の範囲内の包括支払いという制度は、これから増える高齢者を持続的に支えるために誠に理にかなった仕組みだと考えている。いや高齢者の医療や介護を出来高払いにすると、今のじゃぶじゃぶな投薬や過剰な検査を益々増長させて、医療を受けたおかげで命を縮めたという笑えぬ不幸を招きかねない。しかし驚いたことに厚労省老健局長M氏が「地域包括ケアの拠点をめざす老健施設」という老健幹部との新春対談(老健 Vol 22、10:10-18,2012)で、「特養は病気があれば、嘱託医がいる上に専門医師の治療が健康保険で受けられる。介護療養型病棟は100人に医師三人が常勤で対応している。一人の医師で100人を診ている老健は、どこにも負けますね。頑張って下さい」と発言して、実態とはかけ離れた「新しい老健作り」を提案している。M老健局長が高齢者医療・介護に対してどのようなイメージを持っているのか想像できない。
いずれにせよ高齢者医療は出来高払いにしないで、包括払いにすると、現在行われている高齢者医療は今より一層質の高いものになるように思う。老健局長の心配はピント外れだと思う。現場を知らないから致し方ない。いや医師を信頼しすぎている。ただ出来高払いでは対応できない医療行為を、多くの医師(自称専門家だけではなく、実地に高齢者医療に携わっている人たち)の意見を参考にして決めておくべきであるが。余談であるが特別な疾患を除いて、多くの高齢者が受けるべき医療・介護についてそのモデルを提案する義務を老健施設は負っていると思う。莫大な介護保険費用を負担している私たちは、自分たちが作った施設をより有効に発展させる気構えを持たないと大変なことになる。成り金のように、お金(介護保険料)さえかけておけば事足れりと言っている余裕などないと思う。もっと真面目に取り組まなければならない。すべての人が老いて、人様の世話にならなければならない時が来るのである。
ともあれ入所判定は廃止するべきであるというのがわたしの立場である。廃止することによって、本当に望ましい高齢者対策が作り上げられていくと思う。日を改めて私の立場を実施できる理由を詳しく述べる。
その前に、現在多くの施設で行われている入所判定が、色々笑えぬ悲劇を招いたり、本来あるべき高齢者医療・介護を歪めている事実を書いておきたい。邪な動機で高齢者医療・介護に取り組む人(医師、製薬会社、患者団体、医療器具屋等)たちが大手を振って、世論誘導しないためにも。残念ながらそういう人たちが結構世間では力を持っている。
続く

by rr4546 | 2012-07-24 17:03 | 医療関係 | Comments(0)