医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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「私は誰になっていくの? アルツハイマー病者からみた世界」感想 No.2 公共放送

ボーデン氏の告白本は、誤診から始まった患者の苦しみが書いてあるだけであるとの感想を書き始めた。その根拠はこれから書く。その際、公共放送の認知症関連番組に出ている認知症患者も誤診の可能性があることを指摘した。暇な人がいるのであろう、過去に出演した3人の認知症患者の連れ合いが何とも楽しそうに、認知症患者の介護にについてTVで鼎談しているDVDを送って下さった。若年認知症であることは間違いがないということを伝えたかったのであろう。再生したが、レビーの患者が、お皿の上に虫がいると訴える姿が映っていたが、これは幻視ではなくて、失認の症状と判断するべきだと思う。幻視は血だらけの娘が私を迎えにきたと、だれも見えない情景を実に鮮明に訴えるのを特徴とする。物を見ながら、他のものに見えるという訴えは幻視ではなくて失認だと思う。この患者が、レビー小体型認知症の発見者のK博士の診察場に行く姿を以前TVで見た。最近レビーはパーキンソン病の一つの亜型で、歩行障害を必ず合併することがわかっている。診察のために主治医に駆け寄る姿には、レビーとは明らかに違う歩行の姿が映っていた。ただ薬が効いたことを主治医と患者が喜んでいた姿が印象深く描かれていた。他の例も若年で発病して10年たっても、夫婦との会話が持てる例、診断後、ランニングに励み、職探しをする例も、わたしの経験する患者とはかなり違う臨床経過を示している。この番組を見ていると、日本では10年前から認知症の早期診断・治療そして介護の方法が確立されていて、今世界中の有能な専門家が日夜、早期診断と治療の開発に取り組んで、いまだによい成果が得られないで苦闘している状況と余りにもかけ離れていて、奇異な感じを持たれた方もおられるのではないだろうか。
認知症治療の日本のリーダのお一人である鳥羽研二博士は、機能獲得年齢で認知症の重症度を分類して、軽度は8歳から思春期、中度で5―7歳くらい、重度で4歳以下の日常活動能力や認知機能しかないとしている(同上)。彼らは発病後時期からすれば中程度以上で5―7歳くらいの能力、場合によってはBPSDが出て家族を苦しめているはずであるが、彼女たちは一様に明るかった。私には異様に思えた。患者も公開の場で自分のことが語られるのを望んでおられるのであろうか。極めて非定型的としか言えない経過を示す症例をTVという影響力の強い場で語る意図は何であろうか。
わが国もまだ、認知症の早期診断や治療は手探りのはずである。プライマリー・ケア医が困ると精神科に紹介して、精神科で亡くなる認知症患者がいる。10時10分が書けないからと認知症と診断するドクターが町に溢れている。認知症患者の接し方が判らず、望まないのに患者を虐待まがいに扱ってしまう。時には、患者を道ずれにした殺人事件まで起こっている。患者家族は孤立して、精神的にも肉体的にも追い詰められて、仲間と苦しみを分かち合わなければならない。現在のわが国の直面している認知症患者にまつわる、医療・介護も、3人が語る状況とは全く違うように思う。少なくともわたしの知る範囲では。
認知症と生活して二人の絆が深まったとの発言も、身内に認知症患者がいて苦しんでいる人たちに、どうして私はあの人たちのようにできないのかと、一層の自責の念を植え付けたに違いない。ボーデン氏の本と同じ影響力があったと思う。出来ないのが当たり前なのに。話慣れた3人の姿を見ていると、色々なところで認知症患者の治療と介護の在り方について講演されているのではないかと意地悪な想像もした。彼女たちの鼎談は、ボーデン氏の本と同様、認知症の正しい理解を促すというより、患者や家族の苦しみを倍加させる、極めて悪質な啓蒙TV番組であったと思う。
わが国には、医療という名を借りて、そこまで国を食い物にしていいかと思う企業活動を助言するコンサルトがいるように、わたしには思えてならない。この医療マフィアの存在についてのわたしの妄想は、日を改めて書く。公共放送が取り上げた薬は、品切れを来すことは稀ではない。そして副作用も知らずに、主治医にその薬を強要して死亡したと思われる例もあるのである。公共放送のスタッフも、自分たちの影響力に謙虚になって、医療マフィアの片棒を担ぐような番組作りは慎むべきであろう。もっと現場で地道な情報収集をして、高名な医師の意見ばかりを鵜呑みにしないで、本当に解決すべき問題点は何かを伝える努力をするべきであろう。医療の素人が、魑魅魍魎の跋扈する医療界を取材するときは、よほど勉強して注意を払わないと知らぬ間に、とんでもない片棒を担いでしまうこともあるであろう。
続く

Commented at 2012-04-28 09:08 x
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by rr4546 | 2012-04-26 16:44 | 医療関係 | Comments(1)