医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

「科学と宗教と死」、「マーラーの交響曲」」紹介

最近読んだ本の中の4冊、「科学と宗教と死」、「マーラーの交響曲」、「中国化する日本」そして「私は誰になっていくの?アルツハイマー病者から見た世界」を紹介しておきたい。書評を書くほど深く読めないが、手に取る際の参考になればと思って、心に残ったところやどうもこうも理解できないところを引き写しておきたい。
「科学と宗教と死」(加賀乙彦)
加賀氏は時事時評のおつもりであろう、手軽に読む新書版の本を時々出される。「小説家が読むドストエフスキー」、「悪魔のささやき」、「不幸な国の幸福論」いずれも、淡々とした口調であるが、心温まる生き方や憂国の思いを述べられている。常識的で目新しい主張がないとの批判もあるが、わたしはいつも多くのことを学んでいる。
『あちこちに「頑張ろう日本」と張り出されている。それだけであれば原発を作り電気を生産し、産業を興し、作ったものを全世界に売って、またお金持ちになろうということではないでしょうか。相変わらず傲慢不遜に自分たちの力に頼んでいるのではないか、心配です。自分たちに力はわずかなもので、その無力を自覚しつつ補ってもらう。人間が己の力で頑張るだけでは足りない、もっと大きな力を祈りによって引き出してもらう、そういう謙虚な気持ちが必要だと思います。国民のほうも政府に金を出せという気持ちではいけないと思います。我々も祈らなくてはならない。自分の体で奉仕しなくてはならない。』
同年輩の石原慎太郎閣下が、隣国を貶めるようなマッチョな祝辞を都立大学の若い卒業生に送ったとの報に接して、一層加賀氏の活躍を祈った。80歳近い人気の高い政治家が、大阪場所で優勝した白鵬や大関に昇進することの決まった鶴竜より、品位に欠ける発言をするのは残念だ。
「マーラーの交響曲」(金聖響+玉木正之)
最近は、バッハとマーラーの曲ばかりを聞いている。周りにマーラー好きはいない。難しい難しいばかりと愚痴られる。お陰で自分がマーラーに惹かれる理由を語りあう機会がなく、なぜマーラーが好きなのか自分でも判らなかった。ミーハーがAKB48が好きなように、自分はマーラーのミーハーだと思っていた。しかし若い指揮者金聖響氏とスポーツライター玉木正之氏が書き上げた「マーラーの交響曲」は、本の帯に入門書の決定版とうたってあるが、わたしにはマーラーの全体を理解する最良の教科書のように思える。お二人のマーラーへの思いは世界広しといえども、そんなにないように思える。驚くほど多くのことを学ばせて頂いた。
『「ベートーヴェンが、「第九交響曲」で、「全世界の兄弟たちよ、抱き合え!」というメッセージまで、発信したあと、ロマン派の作曲家たちも素晴らしい交響曲を創り出しましたが、ベートーヴェンの大名曲の「大きさ」を凌駕するに至らなかった。それをやってのけたのが、「マーラーの交響曲」といえますね。」
『「交響曲」といえば、ベートーヴェン以来、人生との闘いにおける勝利や、自然の偉大さや、宇宙の広大さや、自然や宇宙を作った造物主の存在への畏敬の念・・・・といった、形而上学的なテーマと哲学的な思考を伴うものと考えられ、そのことをマーラー自身が交響曲「復活」で示してみせたのです。』
『マーラーは、交響曲作家として歩みだすのと同時に、自然・神・天国・生と死・・・・など、色々なテーマを考えながら、音楽を創りつづけてきました。』
『マーラーの「交響曲八番」も、ベートーヴェンの「第九」と同様、キリスト教の影響下の社会で育った作曲家が、キリスト教ときわめて関係の深いテキストを用いて創った音楽ですが、キリスト教を大きく凌駕した、汎神論的祝祭の音楽といえます。』
『「大地の歌」でマーラーが新たに描き出した「世界」は、単なる「異国趣味」でもなければ、大航海時代以来ヨーロッパで流行しつづけた「中国趣味」でもなく、東洋的「厭世感」や「耽美主義」が見事に西洋音楽と合体した、素晴らしい「音楽世界」を創り上げています。この音楽が、マーラー自身も傾倒したことがあるショーペンハウエルの悲観主義哲学や、ニーチェの厭世主義や虚無主義にも通じるところがあるからでしょう。』
『いま大きな時代の変わり目に遭遇している地球上の全世界にとって・・・・、なかでも、震災、原発事故、政治経済的混乱など、激動のなかにある日本と日本人にとって、時代の変わり目に、音楽できちんと一時代に決着を付けたマーラーの音楽こそ、傾聴に値する音楽のように思えます。現代人よ、マーラーを聴け!日本人よ、今こそマーラーを聴け!そこから何かを聞き取れ!。』
マーラーの曲を一層好きになった。お二人のマーラーを愛するお気持ちと博覧強記に敬服。
勿論、本の中に楽譜も紹介されて、マーラーの音楽の斬新さや、現代音楽の先駆けになった理由が述べてあるが、わたしには十分理解できない。残念。
次に「中国化する日本」と「私は誰になっていくの? アルツハイマー病者から見た世界」を紹介する。

by rr4546 | 2012-03-27 09:51 | 日本人論 | Comments(0)