医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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核武装をするべきである No7 我欲―私益と公益 No1

 大澤真幸氏は、深い教養と広い視野を持つ、現代日本でもっとも優れた知識人(「ナショナリズムの由来」、「量子の社会哲学」、「社会は絶えず夢を見ている」をみよ)であると私は思う。私たちの最良の師匠の一人として評価される時が来るのではないだろうか。最近、大澤真幸氏は、橋爪大三郎氏との対論を「ふしぎなキリスト教 橋爪大三郎x大澤真幸」という本にまとめられた。大澤氏がキリスト教理解を深めることによって、新しいパラダイムを持つ日本人が誕生することを心から願っておられるのを知って驚きを禁じ得なかった。かのリチャード・ドーキンスは、「神は妄想であるー宗教との決別」で、無神論の正しさを論じたが、彼の主張は宗教を否定するためには不十分である。一方、大澤氏は、「量子の社会哲学」で、量子物理学のロジックを使って、ニュートン力学や相対性理論では否定できなかった神の存在を完全に否定できることを明らかにした。そのことを知っていたので、驚きは一層新鮮であった。この対論集は、私のキリスト教理解とは色々な点で異なっているが、お二人が、私たちがキリスト教とよりよい関係をつくるために、真面目に取り組んでおられるのは疑いの余地がない。
 その中で大澤氏は、イエスの不可解なたとえ話の一つとして「不正な管理人のためのたとえ」をあげ、イエスは私たちの常識からすると、何故、不正を勧めるような説教をしたのかと橋爪氏に問うている。我欲を考える上で色々示唆に富むので紹介しておきたい。

イエスは、弟子たちに次のように言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄遣いしていると、告げ口をする者があった。そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土地を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。そうだ。こうしよう。管理の仕事を辞めさせられても、自分を家にむかえてくれるような者たちを作ればいいのだ。』そこで、管理人は主人に借りのあるもの一人一人を読んで、まず最初の人に、『私の主人にいくらの借りがあるのか』と言った。『油百パトス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。急いで、腰をかけて、五十パトスと書き直しなさい。』 また別の人には、『あなたは、いくら借りがあるのか』と言った。『小麦百コロス』と言うと、管理人は言った。これがあなたの証文だ。八十コロスと書き直しなさい。」 主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている。そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。(ルカによる福音書16章1-9節)。

 大澤氏はこのたとえ話を取り上げて、不正を働く管理人の振舞いのどこが立派なのか。どこが神の国にふさわしいのかと疑問を投げかけられた。誰しもこのたとえ話を読んで、同じ感想を持つであろう。
続く

by rr4546 | 2011-07-02 18:05 | 日本人論 | Comments(0)