認知症と頻尿-acetylcholineを増やす薬(アリセプト)と頻尿
認知症と頻尿という記事があり、気になっていたが、忘れていた。先日別用で図書館に行って、時間があったので「頻尿と認知症」をkey wordとして検索したところpictureで示した記事がヒットした。
認知症患者で頻尿を訴える場合、まず頻尿を副作用として持つacetylcholineを増やすアリセプの投与があるかどうかを問診して、あれば直ちに投与を中止しなければならない。膀胱の収縮に神経伝達物質であるacetylcholineが深く関与しているので、アリセプト投与で確実に頻尿が招来される。ただ意外とアリセプトの副作用として頻尿が言われることは少ない。
認知症専門医はアリセプトのことに触れずに、作用機序の難しい頻尿治療薬の投与を考慮するよう勧めていた。
Acetylcholineの働きを止めて、頻尿を軽減させようとして従来使われていた抗コリン作用を持つ頻尿治療薬と違って、選択的β3アドレナリン受容体作動性治療薬が現在では投与されているのであろう。
ただ、私が認知症患者を多く診ていた当時は、アリセプトの投与を受けている患者のほぼ全例に、頻尿があり、パプフォーなどの抗コリン薬が投与されていた。そういう症例にはacetylcholineを増やしながら、acetylcholineの働きを抑制する薬剤の併用はお止めくださいと返事を書いていたが・・・・。
アリセプトの主な副作用である頻尿について、薬剤起因性である可能性があるとのcommentがなかったのでここで紹介しておく。
和田秀樹先生のご意見を参考にして、88歳の高齢者は、医療が手を出さないで診てあげるのが最良だと思う。アリセプトはどういう効果があるかについて、患者も家族は実感できない。ただ不穏、徐脈による奇妙な言動、頻尿と副作用だけはハッキリしている。
不十分な医療に頼らない方がいい。特に認知症分野では。
88歳の患者を前にしては、医療では何もしてあげることがないと言うのが、医療に携わる者の取るべき態度であろう。
医者はどこまで情が深いのか!
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by rr4546
| 2024-02-28 17:20
| 医療関係
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