医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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まだ抗認知症薬に効果があるような紛らわしい報道があったり、抗認知症薬の副作用として吐き気があるなどー患者は認知症が改善したら吐き気くらいは我慢する。抗ガン剤の服用で嘔吐は高頻度に見られるが、有用な鎮吐薬があるので、患者はその薬を服用しながら抗がん剤の投与を受けているーどうでもいい副作用を繰りし取り上げている。どこまで患者を苦しめるつもりなのだろうか。抗認知症薬の副作用で患者を一番苦しめるのは焦燥感、不穏、介護拒否等の精神症状で、アリセプト(当時この薬しかなかった)を中止あるいは減量したら改善したとの成績は、自分の原著論文を引用して、拙著「症例から学ぶ高齢者疾患の特徴とその対応」p29金芳堂に書いておいた。5年以上前のことである。

しつこいが、抗認知症薬の副作用で認知症医療現場を荒廃させているので小田博士のFACEBOOKへのコメントを再掲。
年齢のせいで繰り返し同じことを書いているのかもしれない。
「そうそう、抗認知症薬の効果を検討した「主要国内治験結果」のスライドの成績はどの検査で得られた成績か小田博士に聞き忘れていた。スライドにはどの検査で得られた成績かの記載がない。認知症の臨床症状の変化を細分化した認知機能を患者の応答から調べるADASやSIBのような検査は、物忘れ、見当識障害、失認、判断力低下、問題解決能力の障害、日常行動遂行機能の障害など認知症患者を苦しめる色々な認知機能障害の推移を判定することにはそぐわない。いやできない。そのことを桜・猫・電車がスムーズに言えるようになったからと言って、認知機能が改善したとは言えないと以前に表現した。認知症の臨床症状はあくまで第三者が上記の障害を持つ患者を総合的に判定するCIBICを使うしかない。CIBICで偽薬と有意差がない、いや全く両者には差がないとの治験データを出しているのはレミニール、リバスタッチそしてメマリーである。アリセプトは薬剤の効果を判定するための必須なCIBICは、お金がかかるといううことで実施されていない。CIBICのデータから効果は、レミニール、リバスタッチ、メマリーでは全くない。アリセプトは判定する成績がないので不詳というスライドになるように思う。」
実際、どの抗認知症薬の投与でも短期記憶障害、時間や場所の見当識障害、判断力の低下、日常行動遂行機能の障害等患者を苦しめる症状を軽快させたり、徐々に進行していくこれらの障害の進行を緩徐にさせる効果は実感できない。Alzheimer型認知症は、脳の神経細胞の進行性の退行死滅が特徴であり、抗認知症薬が神経細胞の退行死滅を抑える働きがない以上、特段の効果を発揮する余地がない。当たり前のことであろう。

拙著からの抜粋。コンビニでコピーしたまま。トリミングもできないので見苦しいのはご容赦を。ご興味のある方は拡大してどーぞ。

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# by rr4546 | 2018-09-05 19:01 | 医療関係 | Comments(1)
小田博士の市民向け認知症講演会のスライドをシェアしました。小田博士のFACE BOOKに投稿したcomment。
このような講演が市民だけではなく医師向けにも全国で行われていれば、現在のような認知症にまつわる誤解が生まれたり、荒廃した認知症医療現場にならなかったように思います。僭越ですが一つだけコメント。3種類の抗認知症薬(アリセプト、レミニール、リバスタッチ)は血中アセチルコリン量を上げて認知機能を変化させるとされています。アセチルコリンは副交感神経の伝達物質で、血中濃度が上がると、消化機能を低下させて、食思不振などの消化器症状、心臓の伝達系に関与して心拍数を低下させて、伝導系に異常のある患者の心臓発作の誘発、時によると徐脈によって招来される脳虚血による意識レベルの低下、頻尿そしてバランスの悪い認知機能の刺激によって誘発されたと考えられる不穏、易怒性、介護拒否など多彩な副作用がかなりの頻度で出ます。メマリーのようなNMDA受容体拮抗薬はグルタミン酸の働きを止めるためと、私は考えていますが眩暈,耳鳴時には傾眠が出現します。何か頭のぐわいが悪いなどの不定愁訴も時に。一般の方もこのような抗認知症薬の副作用を知っておられれば、認知症で苦しんでいる人に薬害と言っていいこれらの副作用でさらに苦しめるような事態は防げる。そして主治医が、これらの症状を認知症の悪化などと誤診することもなくなる。是非、抗認知症薬の副作用についての啓蒙にもう少し時間を割いていただければと思います。

# by rr4546 | 2018-08-30 08:03 | 医療関係 | Comments(0)
抗認知症薬は「認知症の認知症状の進行遅延」の薬効をうたって、患者に投与されている。公開されている薬屋の治験データから、そのような効果があるといえるのかどうかについて論じてみたい。認知機能の色々な下位項目への影響を見ても、認知症患者の全般的臨床症状の変化は論じられない・・・・。
続く
本文を書く前に小田博士のFACEBOOKに投稿した関連コメントを再録
今でも日本老年精神医学会の理事長先生は、同じ趣旨の朝日新聞の記事の中で、「・・・・ただ、薬を自己判断でやめると症状が悪化する恐れがある。日本老年精神医学会理事長の新井平伊(へいい)・順天堂大教授は「抗認知症薬は病気の進行を1年ほど遅らせることができ、薬がなかった以前と比べればそれなりの価値はある。薬をどう使うかは主治医とよく相談してほしい」・・・・」(水戸部六美、編集委員・田村建二)と述べている。認知機能は記憶・遅延再生・判断・遂行機能・視空間能力などの脳の総合的働きをいう。薬効を見るために、単語再生・口語言語能力、言語の聴覚的理解、自発語の喚語能力などの患者にとっては全く無意味な下位の認知機能をバラバラにした項目別への影響をみた治験データ(ADAS,SIBなど)の誤読から、今でも認知症専門医の間で当たり前のこととして受け取られている理事長先生のおっしゃる信仰が生み出されたのだと思う。例えば単語再生がいくら改善されても、認知機能の臨床症状が改善することに結びつかない。認知機能への影響を論ずるなら、全般的な認知機能を見る全般的臨床上評価(CIBIC)を参考にするほかない。それにしても、赤字を嘆いている健保・国保の支払基金が、抗認知症薬の支払いを気前よくする事情がよく理解できない。その額を見よ!一日も早く抗認知症薬の副作用で苦しんでいる人たちに眼を向けるべきであると思う。」
同じ趣旨のコメントですが。
治験データも先生ご指摘のように、有意差がない。誤読もする。患者のためではなく薬屋のためですからね。偉い先生の医師としての誇りや倫理観はどこ?服用後の効果も患者から聞き取れない.。Lewyのある患者は効果を実感できると告白していますが・・。認知症という診断はボケているとか、失認するだけでやってはならない。あくまで社会生活や家庭生活に障害が見られて初めて、病気として扱うべきでしょう。認知症がこれだけ社会問題になっているのに、この程度の議論をしなければならない。嗚呼です。こんな議論ができる先生との出会いに感謝!こちらおいぼれです。頑張ってください。それにしてもフランスの医療界が抗認知症薬に医薬品としての価値がないといい出す前に、抗認知症薬には臨床効果がない、治験のデータからも有意差のある効果を示していない、作用機序から考えて色々な副作用が出る、副作用の中にはその副作用が出る機序すらわからない類があるということを3,4年前から先生と議論していましたね。すべて無視されて患者に投与され続けている。フランスの動きも根拠なしに権威をかさに握りつぶそうとする。彼らの矜持はどこにあるのだろうか。患者迷惑である。マスコミも患者側に立ったふりをして、権威にゴマをすり、薬屋の喜ぶ記事を書く。日本での抗認知症薬の再評価は先の先でしょう。嗚呼!

# by rr4546 | 2018-08-12 19:20 | 医療関係 | Comments(0)
1 Acetylcholine欠乏やグルタミン酸過剰仮説はAlzheimer型認知症の認知障害の臨床症状を説明できるか?
7月10日付の日経メディカルで、小崎丈太郎記者が老年学会で「ポリファーマシーが認知症を複雑化させている」との発表があったとの報告をした。抄録を読んでいたが、聞き忘れた。早速記事を自分のFACE BOOKにシェアして以下のコメントを載せた。「認知症の治療」の前文にふさわしいと思い、まずそれをここに転載しておく。そして標題1の日頃思っていることを書く。
Polypharmacyが認知症を複雑化させているのではなくて、アセチルコリンを増やし(アリセプト、レミニール、リバスタッチ)たり、NMDA受容体に乖離することなく結合して、Ca+流入やグルタミン酸の働きを阻害する(メマリー)などの抗認知症薬が、認知症の臨床症状を複雑化させている主たる、いや唯一の原因だと思う。やぶ医者の私は5年以上前からこのことを指摘している。投与して認知機能改善効果がみられた経験はない(CIBICの成績と同じである)が、不穏、傾眠、眩暈、何とはなく頭が可笑しい、頻尿、徐脈などの患者を苦しめる症状は、認知症の増悪と診断されているが、抗認知症薬を中断すればほとんど軽快する。薬害である。認知機能の改善効果がないと第2相試験で出ている少量で認知症を治療している実地医家は多い。薬の副作用が取れたことを効果・効果とはやし立てているだけである。認知症の認知障害を来す原因がアセチルコリン欠乏仮説や、グルタミン酸過剰仮説で説明されているが、大部分は広範囲に変性・死滅した各種の機能を持つ脳細胞の機能不全によると考える理由をおいおい紹介する。認知症の認知障害の発症機序に対する薬屋に都合のいい,本質からずれた仮説は整理しなければならない。こういう仮説が専門医の間で十分議論されないで、当たり前のこととして、高邁な話が交わされているのは患者迷惑である。Iatrogenicに起因する患者の不利益に対して、専門医はどのような感想を持っているのであろうか。気付いていないか?」
暑くて文をまとめるほど集中できない。以下の標題のスライドはあるのだが。
2 臨床的観察による各タイプの認知症の鑑別診断
  誤診を招く認知機能テストではなくて、第三者(親族など)による観察や印象の重要性
3 抗認知症薬の臨床効果判定と副作用のチェック
  認知機能を各項目に分けて点数化するADASやSIBではなくて、全般的臨床的改善度や、シンプルな認知症テストの組み合わせで評価するCIBICの活用
  副作用の点数化  
  抗認知症薬治療を健康保険で認めるべきか、自己負担で行うべきか。
4 認知症の早期診断の可能性と問題点
  アミロイドβ沈着仮説は正しいか?
5 認知症に対する医療はなにがあるか?
6 認知症を取り巻くマスコミ報道や認知症専門医の発言の信頼度
  かれらは本当に患者の側に立っているか?
7 興味ある(誤診や薬の副作用が見落とされている)症例呈示
8 認知症になったらどうしてもらいたいか?
続く。


# by rr4546 | 2018-07-11 03:43 | 医療関係 | Comments(0)

614~616日の3日間、京都で日本老年医学会が開催された。長丁場の上に、特別講演3題、教育講演18題、一般講演数百題と盛りだくさんで老いぼれが通いつめられる会ではない。

高齢者のcommon diseasesである糖尿病と認知症の治療について何か参考になることがあればと老体にムチ打って京都国際会議場に出掛けた。残念ながら、実際の患者の診療に役に立つ情報はあまりなかったというのが正直な感想である。専門家たちの興味が実地診療の充実という観点を欠いているためなのか、貴重な話を眠り込んで聞き落したのかどちらかであろう。

そこで糖尿病と認知症の治療についてもっと議論されるべきではないかと日頃感じていることをこの機会に書き残しておきたい。

高齢者の糖尿病のわが国の治療目標は資料1に示すように、患者の特徴・健康状態(認知機能やADLで評価)やインスリンやインスリンを分泌させる薬の投与群とそれ以外の群とを分けて目標とするHbA1cが決められている。多分多くの実地医家がこのガイドラインを参考にして高齢者糖尿病治療を行っているであろう。

本年3月、資料2で示すように米国内科学会(ACP)は、プライマリケア医向けの成人2型糖尿病の治療の指針を権威ある医学会雑誌に公開した。

1 薬物療法の恩恵と害、患者の希望、全般的な健康状態、平均余命、医療費負担などを医師は患者と話し合った上で、血糖値の目標を患者毎に決めるべきである。

2 妊娠を除くほとんどの成人2型糖尿病患者のHbA1cは7~8%を目指すべきである。

3 HbA1c6.5%未満の場合は、薬物療法の緩和を検討すべきである。

4 80歳以上の高齢者、介護施設の入居者、慢性疾患(認知症、癌、末期のCKD、重症COPD、うっ血性心不全など)により、平均余命が10年未満の患者に対しては、合併症を最小限にする治療を行うが、HbA1cの目標値は設定しない。

このガイダンスが出ると、直ちに米国糖尿病学会はHbA1cを7%未満にすることは、糖尿病合併症を減少させるとのエビデンスがあり、ACPのガイドラインには問題があるとの深い憂慮を表明した。大いに議論して、医学的に正しい最善な糖尿病治療目標が決められることを期待したい。

一方わが国の高齢者糖尿病治療指針を出した専門医たちは、1 HbA1c6.5%未満の場合は薬物療法の緩和を検討すべきである 2 80歳以上の高齢者はHbA1cの目標値を設定しないとの、自分たちの示している治療目標と全く異なる見解が権威ある内科医学誌に出されたにもかかわらず、自分たちはなぜ彼らと異なった見解を勧めているのかについての説明をしない。いや発信しているけれども、私がそのあたりの事情に疎いのかもしれない。

念のために日本糖尿病学会のホームページを訪ねたが資料1で示した高齢者糖尿病患者のHbA1cの目標値が公開されていて、それと違った見解があることについて全く触れられていない。勿論ACPに対する異議申し立てのようなアクションが取られた気配もない。

高齢者糖尿病患者を多く診ているわが国の実地医家たちは、ACPが出した指針を無視して、日本糖尿病学会と老年医学会のジョイントで出された資料1のガイドラインに従って高齢者糖尿病の治療に当たればいいのであろうか。

実はACPのガイドライにほぼ対応する高齢者糖尿病治療指針は、わが国で10年以上前に東京都健康長寿医療センター理事長井藤英喜博士が出しておられる。井藤博士の示された高齢者糖尿病治療目標に準じた、高齢者糖尿病患者の治療目標とするべき血糖値とHbA1cの私案を拙著「症例から学ぶ高齢者疾患の特徴とその対応」の補遺として20161月に公開した(資料3)

なぜわたしがACPの指針を参考にするべきと考えるかについての根拠を書いておきたい。

わたしが診る多くの高齢者糖尿病患者のHbA1cは特別な症例を除いて、6%を少し上回る程度でcontrolされている。

多分50歳以上の年代の実地医家は、目標とする糖尿病のHbA1c5.8%以下であると教えられて診療に当たっているからであろう。わたしもそういう教育を受けて診療に当たっていた。ただこの値は現在使われている国際標準のHbA1cの値より0.4%低い日本標準から導かれた値で、以前の糖尿病を疑うHbA1c 5.8%は現在では6.2%に相当する。

HbA1cが日本標準から現在の国際標準に変更された時、学会から繰り返しHbA1cの測定法が変更になり、値の解釈に注意するよう勧告が出されたが、多くの実地医家は現在出されているHbA1cが国際基準による新しい値だと理解しなかった。命を預かる糖尿病を診療する医師の間で、そんな馬鹿な誤解が今でもまかり通っている理由は色々あるが、一つの原因は、HbA1cの検査機関から返される検査データのHbA1cの項目を見るとよく分かる。測定法が変更になり従来より0.4%高い値で出たデータにも拘らず、正常値は4.8%~5.8%と以前の方法で測定して求められた値が記載されている。いやわたしが利用する検査センターの報告書にこれが書かれているだけかもしれない。

従って主治医、いや患者自身もHbA1c測定法が国際標準に変更後も自分の目標とするべきHbA1c値は5.8%以下と信じて疑わない。面妖なことがおこった。

HbA1cが6%くらいで、鬱に近い精神的に不活発な高齢者糖尿病患者がいるはずである。

そういう初歩的な誤解がまかり通っている実地診療の現場にわが国の高齢者糖尿病の治療目標が持ち込まれた。7%未満や8%未満という値が躍っていることに気が付く。何%以下にしてはならないという勧告は皆無である。

APCの勧告のようにHbA1c6.5%以下になれば、薬物療法の緩和を検討するべきであるとの類の説明は全くない。薬を中止することも考慮するべきであると記載すると、どこかに義理が立たないかのような遠慮がみられるように思う。

血糖を下げれば下げるほど、体にいい。The lowerthe better信仰がまかり通るはずである。砂糖を常時もって糖尿病治療に励んでいる多くの高齢者糖尿病患者がいる。嗚呼!

「そんなことまでして血糖をcontrolしても体にいいことはないですよ」と話しかけようものなら、こちらの信頼は完全に失われる。

今治療を受けている高齢者の糖尿病患者で最も注意すべきことは低血糖発作の誘発であることは色々な専門機関から指摘されている。APCはこの事態を深く考慮して出されたのだと思う。APCのガイドラインを参考にしないで、わが国のように目標値、しかも上限だけを定めて下限を設けないガイドラインに準じると、治療目的もはっきりしないまま勧告された値を達成するだけの治療がまかり通る面妖な事態が招来されると思う。

治療という名の下で、低血糖発作を引き起こして、高齢者糖尿病患者を大いに苦しめている可能性すらある。

持続性グルコースモニターで糖尿病治療中の患者の血糖をfollowすると今まで考えられていた以上に低血糖特に無自覚性低血糖があることがわかってきた(麻生好正:第61回日本糖尿病学会発表)。低血糖を繰り返すと認知機能障害や不整脈や心筋梗塞そして脳梗塞の原因になることがあると指摘されている。高齢者が罹ったら、大変な不利益を被る。

薬を飲んで低血糖による臓器障害を招く事態が起こっているとすれば、わが国の高齢者糖尿病治療ガイドラインがその責任の一端を負わねばならないであろう。ばかげた話である。

HbA1cは糖化されたヘモグロビンの値を見ているので高い低いといっても、1から2か月の間の血糖の平均の推移を見るだけで、今治療するべき高血糖や低血糖があるかは全くわからない。HbA1cだけを目標としていると、すぐにでも対応するべき低血糖や高血糖があるかどうかに無関心になる。血糖を自己測定していても、長い罹病期間を持つ患者は自律神経系の自覚症状がなければ80mg/dlより低い血糖値でもあまり注意を払わない。いや高齢者は低血糖発作を自覚しない場合も多いことがわかっている。

治療中は1~2か月前の血糖の動きを見るHbA1cだけではなく、目標とするべき血糖値も記載して、現在の治療で低血糖のようなことが起こっていないかどうかも注意深くチェックできるようなガイドラインにするべきであろう。そのために高齢者糖尿病の治療目標をHbA1cだけではなく血糖値も含めて示したのが、資料3に示した私案である。目標とする食後2時間後の血糖値を280mg/dlとすると、多くの実地医家は何を馬鹿なことを言っていると反発を抱かれるであろう。ただ2012年や2013年のガイドライを参考にして、血糖管理を穏やかにするという方向で血糖値をみると、あながち突拍子もない値とは言えない。血糖値が150mg/dl前後であった患者が、治療を緩徐にして2時間後の血糖値が250mg/dlになると、活気にあふれ社交的になられることがよくある。勿論300mg/dl以上になれば高血糖による脱水や糖尿病性アシドーシスの発症に注意しなければならないことは言うまでもない。

外来でfollowする場合でも空腹時と食後2時間後の血糖を測定して、望ましい血糖が維持できているかの注意深い観察をして糖尿病患者を治療できるようにするのが望ましいガイドラインであろう。HbA1c5.8%以下という信仰がある同じように、血糖値が150mg/dlを超えると大変だ大変だと騒ぎ立てる状況を放置するべきではない。

食後の血糖も上がらない状態でfollowすると、HbA1cはガイドラインの勧める値におさまるが、生きているかどうかもわからない無気力な状態を招くこともあるであろう。治療しているのに、一層患者に不都合をもたらしていることがある。

そういう場合は疲れると甘いものを取りたくなる、それは血糖を上げて体全体の代謝を活発にさせて、気分を明るくさせるためである。高齢者もある程度の血糖を維持しなければ、生きている心地がしなくなると説得して、糖尿病治療を緩徐にしている。そのための指針がAPCの勧告である。

わが国のガイドラインに従うと、HbA1cを下げることだけに傾注する治療がまかり通る。治療のつもりで、患者に別な不都合を引き起こしている可能性の高いことは極力避けるのが医療者の務めであろう。

先生のところで薬の処方が減っているのでよろしくとMRに嫌味を言われるくらいは我慢しなければならない。

高齢者糖尿病患者は眼底検査を定期的に行いretinopathyの増悪がないかどうか、アルブミン尿症などの腎機能の低下がないかどうかを調べると、40代から60代の糖尿病患者に見られる糖尿病合併症は意外に少ないし、急速に重篤化する症例は少ない印象を受ける。高齢者糖尿病患者の糖尿病合併症はどのような特徴を持つのか、どのような転帰を呈するかのデータが専門医たちから出るのを心待ちにしている。高齢者糖尿病患者を診ていると壮年期と明らかに違う糖尿病性合併症の転帰がある。

高齢者糖尿病の治療目標はただ単にHbA1ccontrolすることではなく、限られた余生を患者が穏やかで、仲間と楽しい時を過ごすことにできるような工夫をすることであろう。

ACPのガイドラインを老年医学の専門家たちが議論する話が聞きたかった。

後半は認知症患者の治療目的や抗認知症薬の投与目的について学会場で考えたことを書いておきたい。

資料の削除機能の操作がわからない。二重の資料添付で見苦しい点ご容赦を。久しぶりにBLOGを書いたのであれもこれもチンプンカンプンである。

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# by rr4546 | 2018-06-23 13:42 | 医療関係 | Comments(0)