第9回絵画教室報告―猿からヒトへの進化の謎
2017年 10月 26日
絵画教室のFACEBOOK転載
第9回絵画教室を行いました。参加者は8人。典型的なAlzheimer型認知症は3名。80歳以上で発病して近時体験記憶障害や、失行などがあり日常生活に障害を来しているが、自発的に周囲とのcommunicationを取ろうとする患者はAlzheimerと診断しないで加齢関連認知症(多分高齢者タウオパシー、たとえば神経原線維変化型老年期認知症?)と診断している。対人関係での共感の障害の程度で、タイプの異なる認知症がある。一般医家の間ではすべてAlzheimerとして抗認知症薬が投与されているが。何を期待して治療をおこなっているか深く考えさせられる。抗認知症薬の薬効を誤解しているか副作用を知らない医家が多すぎる。
絵画教室で彼らを観察していると、残された毎日を穏やかに送るためには、認知症患者を医療の対象とするのではなくて、介護士たちの力を借りてQOLを確保する方がはるかに患者の尊厳が守れるように感ずる。
元気でまた社会へ帰ることのできない患者さんたちに対する、介護士たちの無償の優しさに、自己愛しか持たない犬・猫・猿には見られない自己愛を超えた、他者を尊重しようとする人間属特有の崇高な魂の輝きを垣間見ることができる。自己愛を追いかけても手に入らない深い喜びを彼らは見出しつつあるのではないだろうか。
猿からヒトへと進化した理由として、二足歩行や大脳の発達などが言われているが、私は自己愛を乗り越えて、他者愛を見つけた種族が人間属になった確信している。そういう意味でも、彼らの働きにエールを送りたい。
それに比べると、医療職の人たちは、自分も含めて、本分を忘れて、自己愛で右往左往し過ぎである。患者のためと念仏を唱えながら、何か他のことに心を奪われている。人間へと進化した魂の輝きに背を向けている。
by rr4546
| 2017-10-26 21:07
| 医療関係
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