医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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私の職場に上記の講演会の案内状が来た。患者団体主催で京都府との共催であり、お役に立つことがあるかもしれないとここに紹介しておく。ただこの数年間、認知症研究と治療について患者に役立つ成果は得られていないがな。

患者家族の人は認知症に関連する医学的知識に飢えているのだな。主治医が説明しないのかな。どういうツテで偉い先生を見つけてくるのかな。遠いところから、お忙しい先生をお招きするのも大変だろうな。講師の先生は、数か月前に公共放送で若年性Alzheimer型認知症の患者を数年間、病状を悪化させずに治療していると自慢していた。聞く価値があるかもしれないな。それにしても患者を抱えて疲弊されているのが現実だが。お金のかかりそうな大掛かりな講演会を計画される。心の余裕がたっぷりある患者家族もいるものだな。患者さんもきっと幸せだろうな。
京都近辺ではS先生ほど認知症に造詣が深い先生はいないのだろうか。共催は立派な医科大学を持つ京都府である。何かあったら弘前までか。大変だな。
京都にも患者のことを思っている偉い先生がいると思うがな。S先生が選ばれたのは公共放送で名医として紹介されたからかな。巨大メディアの影響力は計り知れない。メデイアは権力機構であることを知っていて、悪用するものがいる。真実を伝える顔をして、患者のことを思わないで製薬会社の片棒担ぎをすることがある。力を持っている優秀な公僕が一部の者に利益を誘導する構造に似ているな。偏ったことをしていても自覚できない。いや正義の味方と自惚れている。
患者を診れないジャーナリストで、不勉強な医師より、広範囲の医学知識に詳しい人がいる。患者の診療に当たればいいのに。記事を書いたら忘れてしまう類のがさネタだがな。ただ巨大資本を持つ製薬会社への忖度たけにはやたらと長けている。
「患者家族の会」の趣旨に賛同して、医療面のアドバイザーをしている医師もこの講演会を後押ししているのかな。某新聞によると最近、家族の会の会長さんは変わったはずだが。同じか。こういうのを何のtriangleと呼ぶのだろうか。

私は認知症患者の穏やかな生活を支えるためには、医療に余り期待しないで、介護を充実させることが重要だと考えている。
その試みは私のFACE BOOKに時々報告しているが、7月24日にアップした記事を、患者のQOLの改善に役立てばと思いここにも載せておく。
7月24日第6回目の絵画教室を行いました。典型的なAlzheimer型認知症3名中程度以上ばかり、加齢関連型認知症5名の計8名の参加者。画材は前回同様夏野菜。Alzheimer型の患者は失認があったり、視空間認知障害があり絵はうまく描けないと思っていましたが、3名とも野菜の形、色など満点のできぐわい。
ただ人形とか花などが画材のときはうまく描けなかった。身近な画材の場合は思いがけない腕を発揮することを学びました。絵画教室は身近なものを画材に。
絵を書き上げた後は、描く前より精神的にすこぶる安定。当然作品を褒めまくりましたが。1人は場所の見当識障害が軽度で、帰宅願望が強く介護士たちの手を取らせていましたが、絵を描く前から、頭がよく字を書くことがうまいということで日記をつけさせことと相まって、帰宅願望が嘘のように消失しました。平仮名やカタカナが交じり意味不明の日記でしたが、これを続けたらまた一人の生活に戻れると褒めまくったのは言うまでもない。今は他の入所者の車椅子の移動の介助を手伝っています。
認知症患者は身内からどうしてこんなことをするの、あんなことをするのと虐待まがいの扱いを受けて一層不穏になっています。
今回の教室で、認知症患者は残された能力を大袈裟に褒めまくることが、患者の精神的安定に著効を呈することを学びました。
認知症患者を抱えられている家族の皆様!患者のチョンボにイライラしないで、残された能力を褒めまくり、不穏などを引き起こす薬の内服を中止して様子を見ると、本当にinnocentな赤ちゃんのように老いて行かれることがあることを心の隅に置いておいてください。
絵画教室も続けるといろいろ有益な情報が得られるものですね。」

# by rr4546 | 2017-08-17 07:09 | 医療関係 | Comments(0)

Blog削除

小生の以下のBLOGは某社担当の弁護士3名から業務妨害行為として刑事・民事ともに問題になるものであるので直ちに該当するウェブページを削除するよう申し出があった。悪意を持って妨害する意図等は全くないが、そういう理屈が成立するということであれば、争う気は全くないので指摘のあった「コウノメソッド」関連のウェブページを削除する。
http://ryo4546.exblog.jp/26276207
http://ryo4546.exblog.jp/27506765
http://ryo4546.exblog.jo/27517629/
http://ryo4546.exblog.jp/27744755/
http://ryo4546.exblog/27801154/
他に指摘がなかったが、コウノメソッドに関連していると思われたところは削除した。
この論考は以下の文で終える予定をしていた。
「現時点では患者に本当に福音となる認知症医療はないと思う。実際の認知症現場に携わっていると、認知症薬の効果より副作用(見落とされている場合が多い)で苦しんでいる患者が溢れている印象である。
ただ一家の大黒柱の人が認知機能の障害を来たして、家庭生活や社会生活に支障を起こし、本人だけでなく周りのものが右往左往しているのをみると、医療的な対応はほとんどないというのは忍びない。認知機能の改善に効果があると言われている副作用がないサプリメント(・・・・など)など勧め、周りのものに介護技術を伝え、少しでも患者の穏やかな生活を確保することが最も重要であろう。」
彼ともそんな話をしていた。それが書けないのは残念である。

# by rr4546 | 2017-07-10 09:40 | 医療関係 | Comments(0)

アセチルコリンを増やす認知症薬は、副交感神経の刺激を介して、徐脈や頻尿の副作用を来すことがある。多くは見落とされているが。

最近、Alzheimer型認知症(AD)と診断されてデイケアに通ってくる患者3名が一過性脳虚血(TIAとは言えない。麻痺がない。しかし一過性に意識障害を来す)と診断するしかない、しばらくすると覚醒する意識障害を来した。

最初の81歳の男性患者は脳血管障害を疑って、医療機関を紹介した。CTMRIでさんざん詳細な検査を受けたが、意識障害を来すような病変がないとのことで、原因はわからないまま経過観察となった。

しかしたて続けに71歳女性と75歳男性のADと診断された患者が同じような意識障害を来した。

何か共通した原因があるのではと、3例のカルテを見直した。すべての患者が抗認知症薬(アリセプトあるいはレミニ―ル)を服用している。意識障害を起こした際、看護師が必ずバイタル(ECG,血圧、SpO2,血糖値、簡単な運動障害の有無など)を検査することを我々の施設では取り決めているが、3名ともECG50/分前後の徐脈が認められた。当初病的な徐脈とは考えなかった。その上、頻尿でたびたびトイレに立つ。これも高齢者特有の神経因性膀胱か前立腺肥大による症状と高をくくっていた。

3例ともベシケアという抗コリン作用を持つ頻尿治療薬が処方されている。多分自宅でも小便が近いので、頻尿治療薬が処方されたのであろう。

現在私は、これらの患者はアセチルコリン分解酵素阻害薬服用によって過剰に増加させられたアセチルコリンによって、徐脈が引き起こされて、不要な徐脈によって「脳血流低下」を来し、一過性の意識障害を招いたと診断している。妥当な見立てであろう。

アリセプトやレミニ―ルの添付文書を見ると、「失神」という副作用が挙げてある。失神を招く機序には触れられていないが、多分徐脈そして脳血流低下が招く一過性の意識障害を「失神」としているのであろう。

10年間、MCI,軽度、中程度そして重度の総計百人以上の色々なタイプの認知症患者を診てきたが、意識障害の患者を見落としていた。面目ない。

いや不必要なアセチルコリン上昇が、機序がわからないが失神を招くのかもしれない。それにしても、認知症薬の副作用の発症機序だけでなく、「認知症症状の進行遅延」の効果についても、その作用を招く機序は仮説だらけで、正しい機序はまだ不明な点が多い。恐ろしい。

考えようによっては4種類の認知症薬は米糠や赤ミミズのような摩訶不思議なサプリメントと同じ類の薬のような気がしなくもない。脳の働きはわからないことだらけである。アセチルコリンやグルタミンソーダの働きをなぶって認知症を何とかしようなどと思いあがることは厳に戒めなければならない。権威の頭の中はヘボ医者の私には想像できない。

こちらの報告で主治医が抗認知症薬投与を中止した患者はその後徐脈は改善して、意識障害の再発は認めない。

連絡を無視して認知症薬を止めてもらえない患者は、易怒性が収まらず、よちよち歩き(Parkinson症候群)でたびたびトイレに行っている。転倒して骨折でも起こしたら誰が責任を取らねばならないのだろうか。理不尽なことに介護士が訴えられる可能性がある。嗚呼!

意識障害が癲癇によって引き起こされたことは否定できないが、アセチルコリンを増やす薬が、アセチルコリンの本来の働きである副交感神経の刺激で徐脈を引き起こし、脳血流の低下している高齢者では意識障害を来すことがあることを示す症例群と考えている。

しかもその副作用は多くの医療現場、いや私のように見落としている可能性があると考え、主治医に連絡した紹介状を挙げておく。患者が特定されないように3名の患者の特徴がまぜてある。

              紹介状

75歳 男性

平成29年6月11日から当施設のデイケアを利用。糖尿病、アルツハイマー型認知症、心房細動、変形性膝関節症で貴院にて加療中。

本日AM10時ごろ、椅子で座位をとっていたところ、意識レベルが低下。

BP180/100(いわゆる脳貧血と言われる類は否定的)と上昇していました。意識レベルは仰臥位にしたところ20分間くらいで改善、その後運動障害は全く認められませんでした。

その際に取ったECG52/分と徐脈を認めましたがP波はあり、ワーファリン投与中でしたがAFは否定的でした。

徐脈の原因ですがアリセプト服用によるアセチルコリン上昇が過剰な徐脈を招いている可能性が高いと考えています。頻尿も同様にアセチルコリン上昇の一部関与が疑われます。抗コリン作用のある頻尿治療薬はアセチルコリンの効果を阻害し、認知症を招来することがあり、高齢者あるいは認知症疑いの場合は投与すべきではないとされています。

Alzheimer型認知症の診断ですが、本日当施設に来た様子を伺ったところ、・・さんと、施設の送迎バスで来たことを正確に覚えておられました。朝食も孫の・・・ちゃんと食べたとのこと、近時エピソード記憶障害はほとんどなく、遅延再生も保たれており、十分な検査ができていませんが、Alzheimer型認知症は否定的で、MCIに分類されるべきものと考えています。

アリセプトは適応がないだけではなく、徐脈や頻尿などの副作用を招来している可能性がありますので、投与についてご再考ください。

糖尿病についてですが、肥満が著明であり、インスリン抵抗性が高いことが予測されます。肥満を招来するSU剤は禁忌。

インスリン抵抗をとるビグアナイド製剤かアクトスにするべきかと愚考いたします。

小生が作った抗認知症薬の副作用と高齢者糖尿病の治療目標を参考のためにお送りします。

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1 アリセプトD(5) 1

2 カデュエット配合錠 1

3 オイグルコン(2.5) 1

4 ワーファリン2錠  

5 ベジケアOD(5)  1

主治医はこちらの報告を参考にして処方を見直してくれ、患者は現在落ち着いている。


認知症薬の副作用について注意深く配慮して、3年前に発症したと思われる典型的なAD患者に認知症薬を中止して、セロクエールを中心とした向精神薬でBPSDを巧みに対応されている症例を最近経験した。近時体験記憶障害、着衣などに関する失行、買い物などが適切にできない夜間徘徊、易怒性と多彩な認知機能障害を持ちながら-家族は対応に追われて疲弊していたー、BPSDだけのcontrol3か月前まで老人センターに出掛けて、将棋やマージャンを楽しんでいたという。多分4種類ある認知症薬がかっては投与されていたであろう。後日詳細は問い合わせる予定。京都市立某病院でfollowを受けていた患者である。念のために言っておくが、3年前にADを疑わなければならない明らかな症状(家人が近時体験記憶障害に気がつき、症状が進行し、同じ本を買い込いこんだり、身の回りに無頓着になっておかしいと訴えている)があるのに、私の仕事をしているN地区の認知症基幹病院Nは、脳の形態学検査に異常がないので、心配ないと診断している。家人からの申告が診断には一番重要であるとの日頃からの私の主張は全く顧慮されていない。

3年たった今でも、取り繕いや、簡単な問診で近時体験記憶障害が明らかなのに、患者は見掛け上、知的な雰囲気を持つ上品な紳士である。基幹病院の医師は見掛けにだまされたのであろうか。実際わたしが診た時にすでに中程度の進行状態であるが、穏やかに私と会話されている。内容はAlzheimer型認知症に特有で私にはあれあれと思うことばかりであったが。念のために申し添えておくが、このような患者との面接は、患者の語ることに心を込めて耳を傾けることが、患者の信頼を得る唯一最善な方法である。家人に持ち込ませた将棋盤で将棋をしたが、小生の負け。ただN病院は薬漬けにするのを得意とする病院なので、正しく診断されて、むちゃくちゃにされなくてよかったかもしれない。アホらしい。

認知症対策に最も熱心に取り組んでいると評価されているN地区の医療機関で上記3名の患者も診断と治療を受けている。嗚呼!

認知症を発病して20年経過した今でも認知症患者のために活躍している同病の患者がいるという新聞報道にあおられて、ボケ即認知症薬、認知症薬はAlzheimer型認知症に限るという縛りがあるのを無頓着に、がばがばと効果判定も副作用も観察しないで認知症薬が使われている認知症現場に親しんでいるので、私が主張している対応を取っておられる専門医がいることに心から励まされた。

副作用に注意を払いながら、認知症薬を使うDrと、マスコミとMRの情報だけで効果も副作用も考慮しないでがばがばと認知症薬を使うDrとの違いはどこにあるのであろうか。患者に迷惑な勉強をしない職業的倫理観の欠如しているDrは一掃されなければならない。しかし一般の間では評判がいいからな。正論が通る世界でもないしな。

(なぜかフォントが一定にできない。見苦しいことご容赦を)


# by rr4546 | 2017-06-19 22:53 | 医療関係 | Comments(2)

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根治が期待できる治療方法がない現時点では、保険診療上認められている4種類の認知症薬を使い分けることが認知症専門医のいう認知症医療、治療ということであろう。それ以外認知症に関して治療と呼ぶ医療があるとは思われない。認知症医療と呼べる対応が現在のところないというのが筆者の立場である。

認知症医療の主役である認知症薬は進行を遅らせる効果がうたわれている。進行を遅らせる効果があるとすれば、認知症の特徴である脳の神経細胞の変性・死滅の増大を抑えることが示されなければならない。しかし残念ながら、グルタミンソーダの過剰な刺激が脳の神経細胞を傷害しているという仮説で作られたメマリーでも初期のAlzheimer型認知症(AD)では全く臨床効果が認められなかった、この成績から演繹すれば、メマリーも脳の神経細胞の変性・死滅に影響しないと考える他ない。他の3種類の認知症薬は神経伝達物質のアセチルコリンを上昇させて脳の神経細胞の働きを刺激するだけなので、神経細胞の変性・死滅には全く関係がない。

では何を根拠に進行を遅らせると信じられて認知症薬が投与されているのであろうか。軽度から中程度のADでは、記憶・言語および行為に関する認知機能下位尺度(単語再生、口頭言語能力、言語の聴覚的理解、自発話における喚語困難、口頭命令への反応、手指および物品呼称、構成行為、観念運動、見当識、単語再認、テスト教示の再生能力)の11課題と気分状態や行動変化に関する非認知機能下位尺度(涙もろさ、抑うつ気分、集中力の欠如、検査に対する協力度、妄想、幻覚、徘徊、多動、振戦、食欲の更新/減少)の10項目を70点満点で評価するADAS-J cog.で検査をすると、認知症薬の6か月間投与群で、偽薬の群に比べるとわずか(70点のうち数点。その上どの下位項目で悪化が偽薬と差があったかの記載がない場合が多い)に障害の程度が軽かったという成績を根拠にして、認知症の特効薬としてAD患者に投与されているのである。重度の場合はSIBという別の評価が行われている。

認知症薬の有効性を示すADASの詳細を理解して認知症薬を使っている実地医家はいてもほんのわずかであろう。薬屋のセールスマンまがいの認知症専門医の講演やMRから説明されて、中身を理解しないまま、わかった気になって薬をもてあそんでいる医師が多いと思う。本間昭他:老年期痴呆の臨床評価法-変化に関する全体的評価とサイコメトリックステストー 。老年精神医学雑誌 10193227,1999を認知症薬の処方を出す前に、ぜひ読んで、認知症薬の薬効を理解して患者に投与するべきである。何も理解しないまま、がばがばと認知症薬を投与しているのではないかと危惧している。薬の副作用で認知症現場を一層複雑にしている。

実際今でも認知症薬がいかに効くかという話があちらこちらで披露されている。身近な事から挙げれば325日にN医師会の主催した洛西境谷会館で行われた「認知症と介護ケアを考える会」の特別講演で某精神病院のM医師は、ガランタミンはアセチルコリンを上げる薬の中で多彩な作用を持っているので大変良い薬だと熱弁をふるっていかれた。最後に印象深く著効を呈した症例としてガランタミンを投与したところ、カラオケバーから先生元気になったという電話をもらったとのAD症例を紹介された。50人?近くのー今でもこういう講演会に忙しい開業医が集まるのだから恐ろしいー実地医家が熱心に参加している会で、投与後不穏などの精神症状で困った症例はないか、効果をどのように評価しているのか、薬の効果を実際実感される症例の割合はどれくらいか、などを質問しようとしたが、このような会で演者に冷や水をかけるような振る舞いをすると、聴衆たちを白けさせるので、急いで席を立った。受付で世話を焼いているMRの責任者と思しき担当者に、今でもこんな講演会をしていると、認知症薬は効果より副作用のほうが多いということが周知された時、君たちも責任を問われるぞと嫌味を言って会場を後にした。

また先日の朝日新聞でアリセプトの開発者で、工業高校卒の元エーザイの社員で今では大学教授―寄付講座といってエーザイが資金を出して作った講座の教授ではあるがーのかっても聞かされた「母親が自分のことを忘れてしまった」その悲しみが認知症薬の開発の原動力になったとの記事にお目にかかった。これも嘘である。人物認識が障害される前に、家事の段どりや、料理の手順がわからなくなって、家人を驚かせるのが一般的である。中程度も重度に近く進行した際に人物認識が障害されるので、家人は脳が壊れていくのをずーっと見ているので、息子を認識できなくなることにさほど驚くことはない。嘘ばかりをいった上に、認知症薬のおかげで、書けなかった字が、きれいに書けるようになったとの有名な医学雑誌の発表を引用していた。残念ながら原著を見つけることができなかった。内容は古くてまだ確認していない。ADは視空間認知機能が犯されて構成行為が異常となり、10時10分も正確に書けなくなる。認知症薬の投与で100例以上の認知層患者を診ている私の経験では一度書けなかった字がうまく書けるようになることはないと断言できる。レミニール服用中の中程度以上のステージのAD患者が、椿を描いた図を「寮隆吉のFACE BOOK」で見ていただきたい。

デイケア、短期入所そして長期入所の患者を見ていると、1,2年で軽度から重度のステージの認知症患者と接することができる。以前も言ったが老健施設は認知症を学ぶ最高の場所である。医師会に具申するが学びに来る真面目な医師は皆無である。

極め付きは42歳でADを発病して、13年たったが、その間100回くらいの講演活動を行い、現在では地区での認知症の社会の理解を深める活動をしているとの元看護婦のドキュメンタリーを挙げておく。いくら注意深く見ても、日常生活が障害されて初めて、認知症という病名が付けられる認知症を示唆する症状が見つからない。病識の欠如や取り繕いなど全くない。やたらと笑って家族と談笑しているので、多分抗うつ薬を服用していると感じただけである。ただ多くの人は若年性ADでも進行を遅らせる薬を飲めば、結構普通の生活が送れると誤解させたであろう。手の込んだ認知症薬の宣伝ドキュメンタリーである。認知症の権威がこのような誤診に知らぬ顔をしているのが信じられない。彼女は公共放送にたびたび出現するが、彼女をを使うディレクターは認知症のことを全く知らないか、何かよこしまな意図があって使っているかのどちらかであろう。製薬会社の意図を忖度し過ぎである。このようなアホなマスコミ人も医療現場を荒廃させている犯人の一人である。2例50歳前半で発症した若年性ADを経験しているが3年くらいで言語的コミュニケーションが全くできなくなって、あらため若年性ADの怖さを学んだ。勿論認知症薬は無効。当時製薬会社に問い合わせたが若年性ADには当社の薬は無効との返事であった。いつから若年性ADにも認知症薬が効くと考えられるようになったのか。

この延長線上に46歳で認知症を発症して「私は誰になっていくの?-アルツハイマー病者からみた世界」の著者で、発症後20年たった今でも元気な、この間多くの著作をあらわしたり、再婚したりしているクリスティーン・ボーデン氏が京都で公益社団法人「認知症の人と家族の会」主催で4月に行なわれる2017年世界アルツハイマー会議(2017ADIと略称されている)に招待される珍事を挙げておく。彼女は上記の本を著してから6回も日本を訪れているという。誰がどのような目的でスポンサーになって彼女の講演を依頼するのであろうか。彼女自身も当初の診断は間違っていて、前頭側頭型認知症で自分はアルツハイマーでなかったと告白している。

それなのなぜアルツハイマーの国際会議に、わざわざオーストラリアから彼女を呼ぶのであろうか。会議への参加料が数万円になるわけである。私は彼女が認知症ではなく初老期うつ病(正確な病名は精神科医でないのでわからない)であることをすでにこのBLOGで論じておいた。無関係な人を会議によぶほどお金の余った御仁がおられるのであろう。アホらしい。

このようなインチキがマスコミをにぎわすのでコウノメソッドの信者が全国に溢れるのであろう。

現時点ではAD患者を診たら、穏やかな生活を確保することに心を砕くことが、認知症に携わる医療関係者が最も心掛けなければならないことである。

そのために参考にするべきは、CIBICという臨床医が患者と介護者から得た情報で認知症薬の効果を評価する成績であろう。CIBICで認知症薬の効果をみると偽薬と効果に差がなかったという成績を以前にこのBLOGで紹介した。この成績を素直に評価しなければならない。専門医がみてもその効果が指摘できない薬を患者や家族が希望するとは思われない。患者は臨床的な改善を望んでいるのである。

CIBIC plusJはただ専門医の印象で評価しているのではない。衛生、着衣、排泄、接触、食事の用意、電話をかける、外へ出かける、金銭の取り扱いと通信、薬の服用、余暇と家事の評価、投与開始時、4週後のADLの総括とかなり詳細な状態の把握の方法である。さらに介護者から人が物を盗む、自分の家でない妄想、配偶者は偽物、見捨てられ、不義妄想、猜疑心、これら以外の妄想、幻視、幻聴、幻臭、幻触、またこれ以外の幻覚、徘徊、無目的な行動、不適切な行動、暴言、威嚇や暴力、不穏、昼夜逆転、悲哀、抑うつ、不安、一人ぼっちにされる不安などの認知症にみられる臨床症状の項目別の詳細な評価である(本間昭 同上論文)

この成績で有効性が示されなかったことをしっかり頭に入れて、副作用と効果を天秤にかけながら、認知症医療に取り組むしかない。

患者が何を望んで医療機関を尋ねるか謙虚に耳を傾けなければならない。患者は、臨床的な効果を期待している。ADASスコアーから見た悪化の程度が軽微になることなど、訳の分からぬことなど望んでいない。このことも理解しないで認知症薬を気楽に処方すべきではない。当たり前のことであろう。

認知症専門医がこれが認知症の医療だと言い張っていれば、河野和彦博士のような御仁が出てくる。彼らは同じ穴の狢である。このような荒廃を招いた責任は、ろくに患者を診る時間を持たないのに、効く効くといっている認知症の権威たちにある。嗚呼!

続く


# by rr4546 | 2017-03-31 19:54 | 医療関係 | Comments(0)
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河野和彦博士はコウノメソッドの冒頭部分で「医学会は、新薬のすべてを推奨する倫理観のないキャンペーン団体である。医学会が行われるたびに医療費は高騰する。患者が増えたからではなく学会が医療費を高騰させている。医学会の目的は製薬会社に恩を返すことであり、必ずしも患者優先でないことがある」と、医学会をリードしている権威たちの患者のためという大義名分のもとでの利益相反が疑われる振舞いを厳しく批判している。高齢者疾患の治療、ここでいちいち上げないが、ほぼすべての分野でも河野博士が指摘する事態が起こっているように私には見える。
河野博士も根拠がほとんど示されていない認知症への効能をうたう高額なサプリメントを患者に直販して、患者家族の藁をも掴む気持ちを悪用して、一部の人たちの金儲けに手を貸しているのではないかと思えるフシがある。この論考の後半で彼の治療戦略の問題点も指摘する。そこで時間を割いて「コウノメソッド」に書かれている認知症の診断について論じている。
Alzheimer型型認知症(AD)の早期診断のためのドネペジルチャレンジテストの問題点と胡散臭さを論じた。今回は発症機序(多くの場合まだ仮説段階ばかりではあるが)も障害された脳の部位もほとんど考慮しない、現在ある認知症薬を使うのに好都合な河野和彦博士がすすめる認知症分類について疑問に感ずることを書いておきたい。
コウノメソッドによると認知症は神経伝達物質の異常で分類できるとする。
アセチルコリン欠乏病₌AD
アセチルコリン・ドパミン欠乏症₌レビー小体型認知症
ドパミン過剰病₌ピック病(前頭側頭型認知症)
アセチルコリン欠乏・ドパミン動揺病₌レビー・ピック複合(私にはレビー型認知症あるいはピック病の進行に伴って、レビーに前頭葉の機能の障害が合併してきたか、あるいはピック病の進行に伴って後頭葉の機能の障害が合併してきたというべきだと考える。多分レビー・ピック複合の疾患群も河野博士の造語であろう)。
私の経験ではレビー小体認知症の病理学的特徴であるレビー小体(リン酸化αシヌクレイン凝集物)の出現や、ピック病の病理学的特徴であるタウオパチーあるいはプロテイノパチーの出現もまれであるが、その両者の異常が同時に発症する患者は存在しないとは言わないが、存在しても天文学的レベルの希少さであろう。臨床的に注意を喚起する疾患群とは思えない。レビーはパーキンソン病の亜型の一つだというのが専門家の見解だと思う。
彼の神経伝達物質分類はわかりやすいが、認知症患者を苦しめる臨床症状の丁寧な観察を蔑ろにするだけではなく、安易な認知症薬投与を招くと思う。効果どころか副作用で苦しむ患者を生み出し続ける根拠を与える。
認知症薬の副作用を、認知症症状の増悪と誤診して、現在でも臨床の現場でよく見かける漫然とした認知症薬の投与という悲劇を招き続けるであろう。BPSDの悪化で精神病院に入院している認知症患者が数十万人いるといわれているが、 認知症患者が精神病院に入院しなければ理由は私にはわからない。薬剤惹起性の精神的不穏だけであろう。認知症薬をやめればほぼ全例が、精神科を退院できる。
河野博士自身も認知症治療薬がごく限られたものしかない無念さを、いかにも今ある不完全な認知症薬で対応できると自己暗示をかけるために、この分類を考え出したのではないだろうか。認知症は神経伝達物質の異常で起こるのではなくて、前回も言ったように脳の神経細胞の変性・死滅によって起こっている。アセチルコリンとドパミンは一部の症状を修飾しているだけである。
彼の分類に従うと現在保険診療が認められていない認知症にも認知症薬の投与が勧められるという奇妙な事態を招いてしまう。
可笑しい例を挙げると、ピックはドパミン過剰病と分類しながら、アセチルコリンを上げるガランタミンを推奨したりする。提案した分類も治療に真面目に反映させていない。勿論ピックにガランタミンを投与するのは保険診療上認められていない。誠に無責任な分類である。こういう安易な分類はアホでも認知症医療に携わっていいとの誤解を生む。実際そういうことが起こっている。
また逆にグルタミンソーダ(これも神経伝達物質である)受容体の過剰な活性化を阻害するメマンチン塩酸塩(メマリー)はこの分類に従うと投与の適応がないことになる。
いずれにせよこの分類を刷り込まれた実地医家の一部のアホは、こういう風に考えて認知症薬を投与してよいとの、黄門さまの印籠を持っているつもりで、認知症薬の効果も判定しないで、漫然と投与し続けるであろう。嗚呼!
認知症の分類は障害された脳の機能に基づいて正しくおこなうのが、根治治療薬を手にしていないわれわれの行うべき最低の義務であろう。
認知症の診断のために脳の部位と機能をスライドで示しておく。いやアップできない。
2016年2月13日 寄り道ー高齢者の起こす事故 付記家庭用「認知症の話」BLOGスライド参照。
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# by rr4546 | 2017-03-24 18:37 | 医療関係 | Comments(0)