医療に関する意見、日本人のあり方に関する意見


by rr4546
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アセチルコリンを増やす認知症薬は、副交感神経の刺激を介して、徐脈や頻尿の副作用を来すことがある。多くは見落とされているが。

最近、Alzheimer型認知症(AD)と診断されてデイケアに通ってくる患者3名が一過性脳虚血(TIAとは言えない。麻痺がない。しかし一過性に意識障害を来す)と診断するしかない、しばらくすると覚醒する意識障害を来した。

最初の81歳の男性患者は脳血管障害を疑って、医療機関を紹介した。CTMRIでさんざん詳細な検査を受けたが、意識障害を来すような病変がないとのことで、原因はわからないまま経過観察となった。

しかしたて続けに71歳女性と75歳男性のADと診断された患者が同じような意識障害を来した。

何か共通した原因があるのではと、3例のカルテを見直した。すべての患者がアリセプトを服用している。意識障害を起こした際、看護師が必ずバイタル(ECG,血圧、SpO2,血糖値、簡単な運動障害の有無など)を検査することを我々の施設では取り決めているが、3名ともECG50/分前後の徐脈が認められた。当初病的な徐脈とは考えなかった。その上、頻尿でたびたびトイレに立つ。これも高齢者特有の神経因性膀胱か前立腺肥大による症状と高をくくっていた。

3例ともベシケアという抗コリン作用を持つ頻尿治療薬が処方されている。多分自宅でも小便が近いので、頻尿治療薬が処方されたのであろう。

現在私は、これらの患者はアリセプト服用によって過剰に増加させられたアセチルコリンによって、徐脈が引き起こされて、不要な徐脈によって「脳血流低下」を来し、一過性の意識障害を招いたと診断している。妥当な見立てであろう。

アリセプトの添付文書を見ると、「失神」という副作用が挙げてある。失神を招く機序には触れられていないが、多分徐脈そして脳血流低下が招く一過性の意識障害を「失神」としているのであろう。

10年間、MCI,軽度、中程度そして重度の総計数百人以上の認知症患者を診てきて、意識障害の患者を見落としていた。面目ない。

いや不必要なアセチルコリン上昇が、機序がわからないが失神を招くのかもしれない。それにしても、認知症薬の副作用の発症機序だけでなく、「認知症症状の進行遅延」の効果についても、その作用を招く機序は仮説だらけで、正しい機序はまだ不明な点が多い。恐ろしい。

考えようによっては4種類の認知症薬は米糠や赤ミミズのような摩訶不思議なサプリメントと同じ類の薬のような気がしなくもない。脳の働きはわからないことだらけである。アセチルコリンやグルタミンソーダの働きだけで認知症を何とかしようなどと思いあがることは厳に戒めなければならない。権威の頭の中はヘボ医者の私には想像できない。

こちらの報告で主治医がアリセプト投与を中止した患者はその後徐脈は改善して、意識障害の再発は認めない。

連絡を無視して認知症薬を止めてもらえない患者は、易怒性が収まらず、よちよち歩き(Parkinson症候群)でたびたびトイレに行っている。転倒して骨折でも起こしたら誰が責任を取らねばならないのだろうか。理不尽なことに介護士が訴えられる可能性がある。嗚呼!

意識障害が癲癇によって引き起こされたことは否定できないが、アセチルコリンを増やす薬が、アセチルコリンの本来の働きである副交感神経の刺激で徐脈を引き起こし、脳血流の低下している高齢者では意識障害を来すことがあることを示す症例群と考えている。

しかもその副作用は多くの医療現場、いや私のように見落としている可能性があると考え、主治医に連絡した紹介状を挙げておく。患者が特定されないように3名の患者の特徴がまぜてある。

              紹介状

75歳 男性

平成29年6月11日から当施設のデイケアを利用。糖尿病、アルツハイマー型認知症、心房細動、変形性膝関節症で貴院にて加療中。

本日AM10時ごろ、椅子で座位をとっていたところ、意識レベルが低下。

BP180/100(いわゆる脳貧血と言われる類は否定的)と上昇していました。意識レベルは仰臥位にしたところ20分間くらいで改善、その後運動障害は全く認められませんでした。

その際に取ったECG52/分と徐脈を認めましたがP波はあり、ワーファリン投与中でしたがAFは否定的でした。

徐脈の原因ですがアリセプト服用によるアセチルコリン上昇が過剰な徐脈を招いている可能性が高いと考えています。頻尿も同様にアセチルコリン上昇の一部関与が疑われます。抗コリン作用のある頻尿治療薬はアセチルコリンの効果を阻害し、認知症を招来することがあり、高齢者あるいは認知症疑いの場合は投与すべきではないとされています。

Alzheimer型認知症の診断ですが、本日当施設に来た様子を伺ったところ、・・さんと、施設の送迎バスで来たことを正確に覚えておられました。朝食も孫の・・・ちゃんと食べたとのこと、近時エピソード記憶障害はほとんどなく、遅延再生も保たれており、十分な検査ができていませんが、Alzheimer型認知症は否定的で、MCIに分類されるべきものと考えています。

アリセプトは適応がないだけではなく、徐脈や頻尿などの副作用を招来している可能性がありますので、投与についてご再考ください。

糖尿病についてですが、肥満が著明であり、インスリン抵抗性が高いことが予測されます。肥満を招来するSU剤は禁忌。

インスリン抵抗をとるビグアナイド製剤かアクトスにするべきかと愚考いたします。

小生が作った抗認知症薬の副作用と高齢者糖尿病の治療目標を参考のためにお送りします。

Rp

1 アリセプトD(5) 1

2 カデュエット配合錠 1

3 オイグルコン(2.5) 1

4 ワーファリン2錠  

5 ベジケアOD(5)  1

主治医はこちらの報告を参考にして処方を見直してくれ、患者は現在落ち着いている。


認知症薬の副作用について注意深く配慮して、3年前に発症したと思われる典型的なAD患者に認知症薬を中止して、セロクールを中心とした向精神薬でBPSDを巧みに対応されている症例を最近経験した。近時体験記憶障害、着衣などに関する失行、買い物などが適切にできないなどの認知機能障害を持ちながら、BPSDだけのcontrol3か月前まで老人センターに出掛けて、将棋やマージャンを楽しんでいたという。多分4種類ある認知症薬が買っては投与されていたであろう。後日詳細は問い合わせる予定。京都市立某病院でfollowを受けていた患者である。念のために言っておくが、3年前にADを疑わなければならない明らかな症状(家人が近時体験記憶障害に気がつき、症状が進行し、同じ本を買い込いこんだり、身の回りに無頓着になっておかしいと訴えている)があるのに、私の仕事をしているN地区の認知症基幹病院Nは、脳の形態学検査に異常がないので、心配ないと診断している。家人からの申告が診断には一番重要であるとの日頃からの私の主張は全く顧慮されていない。3年たった今でも、取り繕いや、簡単な問診で近時体験記憶障害が明らかなのに、患者は見掛け上、知的な雰囲気を持つ上品な紳士である。基幹病院の医師は見掛けにだまされたのであろう。実際わたしが診た時にすでに中程度の進行状態であるが、穏やかに私と会話されている。会話の中に典型的なADを疑う臨床症状が満載であったが。ただN病院は薬漬けにするのを得意とする病院なので、正しく診断されて、むちゃくちゃにされなくてよかったかもしれない。アホらしい。

認知症対策に最も熱心に取り組んでいると評価されているN地区の医療機関で上記3名の患者も診断と治療を受けている。嗚呼!

認知症を発病して20年経過した今でも認知症患者のために活躍している患者がいるという新聞報道にあおられて、ボケ即認知症薬、認知症薬はAlzheimer型認知症に限るという縛りがあるのを無頓着に、がばがばと効果判定も副作用も観察しないで認知症薬が使われている認知症現場に親しんでいるので、私が主張している対応を取っておられる専門医がいることに心から励まされた。

副作用に注意を払いながら、認知症薬を使うDrと、マスコミとMRの情報だけで効果も副作用も考慮しないでがばがばと認知症薬を使うDrとの違いはどこにあるのであろうか。患者に迷惑な勉強をしない職業的倫理観の欠如しているDrは一掃されなければならない。しかし一般の間では評判がいいからな。正論が通る世界でもないしな。

(なぜかフォントが一定にできない。見苦しいことご容赦を)


# by rr4546 | 2017-06-19 22:53 | 医療関係 | Comments(1)

米ぬかといえば、私たちの世代では、漬物を漬けるためのぬか床に使うものと理解している。米ぬかから米油を抽出したり、家畜用飼料としても使われたりしているので、米ぬかにはそれなりの栄養分があるらしい。

米ぬかから抽出されたフェルラ酸が河野博士推奨の、認知症に効果のあるといわれているサプリメント、フェルガードである。フェルラ酸に西洋トウキ(筆者は何か知らない)の抽出物ガーデンアンゼリカがはいっているフェルガード100M、最近ではさらに緑茶抽出物(EGCG、緑茶カテキン)もはいっているフェルガード100MプラスなどがAlzheimer型認知症(AD)だけでなく、前頭側頭葉型認知症そしてLewy小体型認知症と発症機序の異なるどんなタイプの認知症にも効果があると河野和彦博士はここ数年間主張している。そしてフェルガードはコウノメソッド実践医の間で患者に直販されている。

河野和彦博士はフェルガード類について、コウノメソッドの中で「保健薬より改善率が高く安全性が保障された健康補助食品である」と投与を強く勧めている。自分だけではなく、多くの医師が服用していると述べて、その効果に疑いがないと自信満々である。そうですかと処方する実地医家がいるはずである。現在はフェルラ酸の含有率や添加物の違いで次々名前の違った製品が出されていると思う。最近は送られてくる郵便物をしっかり見ていないので知らない。

フェルガードに興味を持った67年前、効果の根拠をグロービアの村瀬さんに尋ねたところ、アミロイドβタンパクの重合を阻害して脳神経細胞の退行変性と神経細胞の死滅を抑制すると聞かされて、当時海外の学会にご一緒させていただいていた同窓の先輩I先生の友人で、やはり海外にたびたびご一緒させていただいていたT先生(日赤病院の院長まで勤められた)が典型的なADを発症されたので、藁をもつかむ思いで購入して、T先生にお届けした。6か月くらい服用していただいたが臨床的効果が感じられなくてご家族の希望で中止した。

ただその際フェルガード代は一か月分6000円であったと記憶しているが、患者に購入を勧めてもらえれば、2000円をcash backすると村瀬さんからごく自然に提案された。長い医師生活の経験で処方した見返りに患者が払った薬代をcash backされるなど経験がないのでcash backを受けないで自費で購入し続けたのは言うまでもない。当然であろう。

4000円の費用で済むものを、処方する医師にcash backするために6000円で販売して、当たり前との感覚に驚いて、最初の購入以外,新たに購入することはなかった。一般の方には馴染みがないかもしれないが、別なversionが製薬会社と医師の間で阿吽の呼吸で行われているかもしれない。

12年前河野和彦博士が裁判所から名誉棄損で医業停止処分を受けた際―実際は河野博士側の申し立てが認められて、医業廃止の事態は免れたがー村瀬さんと面会したが、詳しくは問いたださなかったが、どうやらグロービアで販売しているフェルラ酸と同じフェルラ酸を、グロービア販売のものでなければ、認知症に効果がないと大声で言い続けて、フェルラ酸を販売しているもう一つの会社が名誉棄損で訴え、河野博士の医業停止処分の決定が出されたらしいことが伺えた。その際、村瀬さんに河野和彦博士との関係は尋ねたところ、ビジネスパートナーということであった。なにか製薬会社と医師の間以上の、深い関係に二人はあるらしい。売れればお互いに儲かるのかもしれない。

色々雑談の後、帰り際に「詐欺で訴えられることのないように」と声をかけたところ、村瀬さんは笑っていつもの元気な姿で東京へ帰っていかれた。憎めない人である。

もう一つ気になっていることとして、どこで米ぬかからフェルラ酸を作っているのとの問いに、数年前は韓国でとの村瀬さんの答えを挙げることができる。品質管理について話し合っている間のこちらからの質問への答えであった。しかし最近のグロービアが送ってくる資料では静岡のアムスライフサイエンス社製となっている。フェルガードの詳細についてこの会社にメールで問い合わせたがなしのつぶてである。韓国製なのか、日本製なのかどちらでもいいことではあるが、患者に飲ませるという点からいえば、品質管理を販売会社が直接チェックできるという意味では米ぬかは日本でも余っているのだから、日本で作った方が信頼できるであろう。

その後、時々村瀬さんと面会しているが、会うたびにフェルガードの作用や効果について異なった説明を聞かされて気になっている。当初アミロイドβの重合を阻害すると、こちらも納得できる説明を聞いたが、会うたびに、時には認知症薬と違って精神的不穏を招くことなく、認知機能を高めると説明されたり、いや元気のない認知症患者を元気にする薬だとの説明をされたりして、万能薬かと洗脳されそうである。時には抗酸化作用があるとの説明も聞かされた。また最近一時あまり言っていなかったアミロイドβの重合を阻害するという作用も強調されるようになっている。送られてきたパンフレットによると、セクレターゼ標的薬剤などとフェルラ酸の効果や作用機序の新しい知見が次々に集積されているのであろう。

本当に効いているのかと、問いただせば、医師でも薬剤師でもない私は断言できないが、実際よく効いている患者を見させてもらっているから間違いありませんとおっしゃる。

今までも繰り返し書いてきたが、認知症薬の効果判定はよほどトリッキーな方法を使わなければ効果があるとのデータは出せない。認知機能は複雑で、ADASSIBなどの検査の一部の下位項目が有意に改善しても、全般的臨床症状(CIBIC)では効果が観察できない。患者に実際に福音をもたらす効能は認められない。従って認知症薬の満足度はすべての薬の中でも最下位である。認知症薬を薬といっていいかの議論を置くとしても。念のために言っておくが、認知症薬の治験データから効果あるなしの判定は難しいが、4種類の認知症薬の副作用は軽いものから重篤なものを含めるとどの薬も50%以上~36.6%あることだけははっきりしている。

アセチルコリンを増加させる薬(アリセプト、レミニール、リバスタッチ)の患者を困らせる歩行障害、頻尿、心不全の増悪、易怒性、わざとらしい振舞いなどの副作用は、不必要なアセチルコリンの上昇で説明できるが、グルタミンソーダの過剰による脳神経細胞の死滅を軽減するために開発されたメマンチン塩酸塩製剤(メマリー)は本来の神経細胞の死滅の防止ではなくて、「認知症症状の進行遅延」をうたって使われているが、やはり眩暈、傾眠、易怒性、転倒などの副作用を引き起こす。恐ろしいことにこれらの症状を引き起こす機序は全く不明(第一三共製薬に確認済み)。脳のどこでどう効いているかが未解明の薬が中程度や重度の患者に効果や副作用がほとんど考慮されずに、バンバンと投与されている。フェルガードの効果発現の機序がよく分からぬが効いている、効いていると大先生たちが大声で言っているのと状況が似ているように思えなくもない。

認知機能の障害で困っている患者を薬の副作用でさらに困らせるのは、ためらう、いや避けるのが常識的な判断であろう。

権威たちが認知症の治療の限界について正直に語らないので、「私が効果を確認しているので、これは特効薬である」と大声で語るものが、大手を振って歩けるという堅気の世界ではない、魑魅魍魎の認知症医療現場を招いてしまったのであろう。患者は食い物にされ続けるだけの存在なのであろうか。嗚呼!

認知症に効果があるとうたってサプリメントとして大手の数社(サントリー、小林製薬、エ-ザイなど)が売り出しているのは、かってドイツで認知症薬として使われていたイチョウ葉エキスそしてポリフェノール、カテキンだけであろう。数社が競ってネット上で宣伝している。検索されたし。

河野博士が効く効くといい続けているフェルラ酸は河野博士のビジネスパートナーのグロービアと聞いたことのない、はっきり製造会社を名乗っていないもう一社だけである。

一般的に信頼できると考えられている大手は一向に製造販売に乗り出す気配がない。特許でもあるのであろうか。好き物でドーゾという感じである。

一体このような認知症医療現場を作り出した犯人は誰であろうか。認知症の権威たちの真面目な弁明を患者を抱えて苦しんでおられるご家族や、いやこれから認知症になるかもしれない我々すべてが聞きたい。少量では効かない、有効性の客観的データを私たちのように出せとコウノメソッドの批判もしない。彼らは権威として無責任なマスコミ対応をし、実地医家から設定用量では副作用ばかりであると言われる治験をやったり、薬屋のセールスマンのような講演で小遣い稼ぎをしたりしている罪を償わなければならない。権威として責任を果たしてもらいたい。よほど多忙な毎日を送っておられるのであろう。

また「認知症と歩む人生を楽しもう」(朝日新聞5月9日診断から22年ブライデンさんに聞く友野賀世)(楽しめる!認知症なぞ怖くない!)と自分たちが受けている不利益に対して何一つ文句をいわないで、気勢を上げている患者や患者の家族も、今のような惨状を招いた責任の一端を背負なければならない。認知症と告白するとブライデンさんみたいに、世界中を旅できるのだろうか。彼女の旅行にかかる費用は誰が負担しているのか。あるいは借金でも踏み倒せるのであろうか。あるいは社会生活や家庭生活に障害が出て初めて認知症と診断されるので、生活に障害が出て介護が必要となっても生活費が稼げる仕事があるのであろうか。知らない。少なくともカミングアウトした、早期と称する認知症患者は皆元気!誤診の可能性はないのか。旅費の出どころはわからない講演に回る。どこの話であろうか?

こんなことをヘボ医者が書かなければならないのは悲しい。

臨床的に効果がみられないが特殊な検査で有効性の有意差が出たから、薬によってもたらされた精神的不穏、介護拒否、心不全増悪、転倒、骨折などの重篤な副作用を無視して、「認知症の症状の進行遅延」(投与を受けたかなりの症例が認知症の症状が増悪している。多くの場合見落とされているだけである)を念仏のように唱えて投与を続けるのが正しい対応なのか、副作用が引き起こされない、治験では効果がないという結論が出ている少量の認知症薬投与ーコウノメソッドの本質は少量の認知症薬投与で、認知症薬の副作用をなくして、その状態を認知症が改善したと思い込んだに過ぎないと思う、バカバカしい話であるが。逆の言い方をすれば、認知症専門医が使う認知症薬は副作用が多すぎるので、コウノメソッドに活躍の場を専門医が自覚しないままガバガバと提供している、これまたバカバカしい話であるーと、根拠ははっきりしないが、効くと主治医が感じる、米ぬかや赤ミミズ由来サプリメントを投与して患者の診察に当たるのがいいのか、(常用量では副作用が多く出る認知症薬に拘ったり、その副作用をとるために効果のない少量投与に拘ったりするのは、彼らが、患者を直すことより保険診療医として認知症患者を診たふりをして生計を立てることに無意識に心を砕いているように見える。嗚呼!患者は金儲けのネタか)、私が長く主張している副作用を丁寧に説明して、患者あるいは患者家族に了解が得られる場合は、効果がみられるとの大規模治験で定められた量を投与して、何一つ副作用がなければー副作用は権威が思っている以上に高頻度。そのためにコウノメソッドの少量投与を選択する実地医家が全国にあまたいるのである。処方する医師は認知症薬の副作用に精通しなければならないー継続(判定不能の重度などのような場合は除く。副作用をはっきり訴えないし、副作用を病状から読み取ることは不可能。症状の進行の遅延を示す下位項目が検査できない場合は投与の対象にならない)、一つでも副作用がみられれば(投与後注意深い観察を必要とする。短期間かつ短時間の外来などの診察では見過ごされる。副作用をBPSDの出現・悪化と考えられている例は驚くほど多い。そして精神病院へ。認知症薬の副作用を、副作用と考えないでびっくりするくらい色々の病名をつけて、薬に頼る。嗚呼!)あるいは転倒して骨折などの危険が予測される場合(転倒の原因が認知症薬の服用による可能性が考えられる場合は、認知症専門医が考えているより結構ある)、副作用があるほど認知症薬の効果が期待できるなどと、独善的な仮説を唱えて(自称専門医も医師会の講演で副作用が出るほど効果がありますと、同じことを言っている)投与を続けることをしないで投与を中止して、集団で取り組む共同体参加型の脳活性化活動(現在行われている例で挙げれば、デイサービスの取り組み。患者や患者家族が一番喜んでいる。しかし一向に、彼らから介護士への感謝の言葉が聞けない。驚くべきことである。そして介護士の社会的評価の低さを招いている。この実態もいずれ詳細に書く)に積極的に参加する環境を整え、薬に依存しない対応をする。

いずれにしても、厚労省、医師会そして権威が勧める認知症患者に対する医療は、多くの場合患者に余分の症状を引き起こす上に、見落とされて苦しめるだけなので、健康と命を預かるものが最もやってはならない対応であろう。当たり前のことが通らぬのが現在の認知症医療現場である。嗚呼!

どの方法が現時点で患者に一番望ましいのか、認知症診療に携わる医師すべが大いに議論して結論を出すべきであろう。そうでなければ患者は浮かばれない。処方する医師は全く考えもしない彼らが招いている医原病で苦しむ患者が巷に溢れている。

実効性が疑わしい意味があまりない作り話、対策をマスコミは垂れ流している。今の認知症現場の荒廃を招いた犯人の一人として挙げるべきであろう。全く無自覚あるいは悪意すら感ずる。他に取材すべきテーマが溢れている。権威や製薬会社への忖度過剰。もっと実際の現場を見よ!情けない。嗚呼!

後数回で「認知症患者と精神病院」、「早期診断と早期絶望」、「重度の認知症患者の対応」,「認知症患者と介護福祉士」を書いてこの論考を終える.

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# by rr4546 | 2017-05-12 17:07 | 医療関係 | Comments(0)

認知症の権威たちは、認知症の中核症状や周辺症状(BPSD)の治療について詳細に解説している(認知症疾患 治療ガイドライン2010 コンパクト版2012、かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン)。これに準じた認知症治療学が、実地医家向けに開催される勉強会で繰り返し講義されている。実地医家はそれを参考にして認知症患者の診療に当たっているのであろう。

この研修会で使われる資料の「認知症薬の効果や副作用」の記載は不十分で、誤解を招く情報を垂れ流しているので、この勉強会は患者に恩恵をもたらすどころか、認知症医療現場を荒廃させている一因になっていることをこのBLOGで繰り返し書いている。

このような状況は改善されるどころか、今でも地区ごとの小さな勉強会に権威たちがお墨付きを与えた認知症治療学に準じた治療学に熱弁をふるう自称認知症の専門医が次々現れ、認知症薬の宣伝に一役買っているので、私のようなぼんくらは目を白黒させるしかない。

一方、権威たちが薦める認知症薬の使用方法について堂々と異議を唱えているのがコウノメソッドの提唱者の河野和彦博士である。

細かい点について触れていればきりがないので、「コウノメソッド認知症道場」で河野和彦博士が勧める認知症薬の使用方法のポイントを2,3挙げておく。

「認知症薬には副作用があるので、対策として飲む量を半分にするか、隔日にする、週に2回休むといった方法を考える。認知症薬は消化器症状などの副作用が出るので、用量を徐々に上げることが定められているが、良い状態であれば増量の必要がない」などなど(河野先生認知症セミナー Shinagawa Tokyo 201532日)。コウノメソッドの核心である少量投与を解説している。

ただ彼の提案する少量投与は、治験段階で効果がなかったとの結論が出されている。薬効は現在私が理解している範囲で言えば、効いているか効いていないかの主観的判断で行うのではなく、前向き二重盲検法(偽薬と治療薬の投与を主治医に隠して、客観的指標を使って薬効を判定する)で統計学的有意差の出る症例数を使って初めて効果ある・なしが判定される。

ADAS-J cogやSIBで認知症の症状の進行を軽減させるとの客観的指標を使って決められた4種類の認知症薬の用量設定の治験データは、怒りっぽい、歩行障害、幻視妄想悪化、嘔吐、傾眠、かぶれやすい、めまい、認知症の悪化、易怒性の副作用を見落としていることを河野博士は告発していることを看過してならない。実際、4種類の認知症薬の治験段階のデータでは、どの薬も軽いものから重篤なものまで含めると50%以上あることは明らかにされている。客観的な効果判定を使う、このもっともらしいインチキに対する河野博士の怒りがコウノメソッドを推進する力になっている。認知症薬に症状の進行遅延の効果があるとのADASやSIBの成績も、患者のどの認知機能の進行を抑えるのかの具体的な下位項目の記載はほとんどない。患者を苦しめる近時体験記憶障害、見当識障害、遂行機能障害には全く効果がみられない事だけははっきりしている。徘徊や交通事故が防げない!これは臨床医と介護者による全般的臨床症状評価法(CIBIC)で効果が認められない事から明らかである(寄り道のための付録 寮隆吉のBLOG 2016年9月12日参照)。何を根拠にして認知症の症状の進行を遅くさせると権威たちが言い続けるのかよく判らない。そして認知症薬で認知機能障害の小康状態を得ていると、希望にあふれる若年性AD患がマスコミに登場する背景も理解不能。詐欺事件を生む。ささやかな私の臨床経験や治験データ(権威たちが責任をもって出した!)からこのような著効例があることは想像できない。嗚呼!

私に言わせればどっちもどっちで、両者の主張で勝手気ままにAlzheimer患者が治療されれば全く無効の量の薬が投与されるか、効果を評価せずに、副作用を認知症の悪化と誤診して、無理やり認知症薬の投与が継続されるかのいずれかを招いて患者に不利益を与えている可能性があると思う。この軽躁状態はいつまで続くのか。この状況を筆者は荒廃と呼んでいる。保険で認められた認知症薬に本当に効果があれば、米ぬかや赤ミミズが治療薬としてしゃしゃり出てくる余地はない。嗚呼!

コウノメソッドには客観的な薬効判定の記載が一切ない。教祖さまが効くといえば効く、効果がないといえばない。

それだけでこれから触れる認知症サプリメントがいろいろ紹介され、勧められる。その医学的根拠についてあまり考えないで、患者に服用を勧める実地医家が結構いるらしい。ほんまかいなと思わない実地医家が結構いるらしい。コウノメソッド実践医として数多くの実地医家が登録している。彼らは効果があるとの信頼できるデータを必要としない。

現在認知症の有効な治療薬はない。河野博士が有効だ有効だと言い出したフェルガードやプロルベインDRと呼ばれる、彼自身が世界に先駆けて、認知症患者に効果があると囃し立てている認知症サプリメントがあるだけであろうか。サプリメントと言いながらコウノメソッドに目を通すと彼自身、フェルガードやプロルベインDRのほうが認知症全般に認知症薬より有効だと信じているフシがある。

多分彼が患者に勧めるときにはサプリメントと言わずに、認知症薬の特効薬といっているのではないだろうか。

厚労省の認定した医薬品以外で治療上、医師が患者に勧めることができるのは、指定医薬部外品(栄養ドリンクの類)くらいであろか。いやもし必要があれば保険診療上使える薬を処方する先生方が大部分であろう。ただご時勢がら健康志向の強いわれわれは色々のサプリメントと呼ばれる薬まがいのドリンクや錠剤を飲んでいる。そういう私も飲んでいる。

臨床医の中には患者が飲むサプリメントにも意見をいう向きもあるが、私は基本的には患者が効くと思っているサプリメントの類はすべてOKである。本人が調子が良いと感じているものにいちゃもんをつける筋合いはない。

サプリメントといっても一様患者から飲んでもいいでしょうかと聞かれたら、目安として、指定医薬部外品と呼ばれる類、臨床試験を行ってデータを集め、国が審査して許可を出す特定医薬品(トクホ)、臨床試験は必須ではなく研究論文や機能性の根拠に関するデータや論文を集めて事業者自身の責任で表示できる機能性表示食品などがあるぐらいの知識を持って、専門家の立場で患者に助言を与えたい。私自身サプリメントについてド素人でこれ以上語る資格はない。

河野博士の勧める認知症サプリメントと呼ばれるフェルガードもプロルベインDRはこれらのどの部類にも属さないらしい。トクホとも機能性表示食品と表示されていない。

前回も言ったように世界中が認知症の薬を求めているのに、これらのサプリメントは一向に公の場に出てこない。好き物の仲間だけで愛用されている気配である。

もし私がこのような認知症に効く薬まがいのものに出会えば、ひと儲けを企んで、勝ち組に名を連ねたい。

どうやら認知症サプリメントと称する類も藁をもつかむ患者を食い物にしているらしいところがあるらしい。いやこんなことに触れるのは本意ではないが、認知症医療現場が荒廃している一つの証左として聞き流して頂きたい。

フェルガードを製造・販売しているグロービアの代表取締役村瀬仁章氏は56年前からの知り合いである。当初フェルガードがあることを聞き及んで、何とか患者のためにと思い、問い合わせたところ村瀬氏はすぐに職場に来てくれた。それから5回以上は会っている。電話でのやり取りは数十回。その時、聞いた話を次回に書いておきたい。村瀬氏に個人的恨みは全くない。彼は効く効くという認知症専門医と巡り合い、認知症患者にお役に立てばと頑張っているのであろう。彼は医師でも薬剤師でも何でもない。

村瀬君、これから書くことで私が誤解していることがあれば、是非BLOGのコメントであるいは直接携帯に意見をくれたまえ。すべてそれについて紹介する。

続く


# by rr4546 | 2017-04-21 16:07 | 医療関係 | Comments(0)

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Alzheimer型認知症(AD)の治療にはわが国の認知症学をリードしている専門医が総意で薦めている方法がある(ADの認知機能障害に対する有効な薬物療法はあるか 認知症疾患  治療ガイドライン 2010年 コンパクト版2012 p137140)。新版が出ているかもしれない。その中でドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの4種類の認知症薬の有効性を示す科学的根拠があり、使用するよう薦められるとはっきりと書いてある(グレードA)。4種類の治療薬の使い分けは「病型別の治療薬剤の選択的アルゴリズム」という表で示されている。その表の最後に以前にも紹介したように「効果なし」の場合の投薬中止は慎重に検討することと、認知症薬を使い続けることの脅迫まがいの文言が付けられている。ただ効果があるかないかの判定の基準は示されていない。治験データから読み取ると、主治医や介護者からの情報(CIBIC)の分析では、認知症薬の効果が認められない。何をもって効果があるか、ないかの判断基準をはっきりと示すべきである。何もないので効いた、効かなかったと勝手放題を実地医家は言って歩いている。嗚呼!

専門家のこのご託宣に反して、効果が認められない、副作用があるといって認知症薬を中止する度胸のある医師は皆無であろう。効果の判定もされず、副作用も見落とされて漫然と投与されている状況を、私は認知症医療現場が荒廃していると繰り返し表現している。これは私の偏見で、専門医たちは認知症薬の効果を実感して、投与中に副作用と思われる精神的不穏などを経験していないのかもしれない。

彼らの勧める方法に異議を唱える御仁が河野和彦博士で、その詳細をコウノメソッドと称してインターネット上で公開している。「認知症は治らないといっている医師は、治したことがないからである。用法用量通り処方すると危険なことがある」とはっきりと述べておられる。専門医の治療方針を厳しく批判している。

認知症の権威たちと、河野和彦博士との間で「患者のためにということ」で激しい議論が行われたということを筆者は寡聞にして知らない。患者はどの立場の主治医にみてもらった方がいいのであろうか。そして多くの臨床医がコウノメソッドの心棒者である。

権威たちは河野博士を無視しているか、あるいはこっそりとコウノメソッドを参考にして認知症診療に携わっているのではないか。そんなことをうかがわせるエピソードを紹介していく。かなり以前であるが、医師会の主催で行われた本間昭博士の講演会後、認知症薬の副作用について意見を直接伺ったところーこの時間をもらうために主催者側と大変なやり取りがあったー「私に任せてください。素人がうっかり手を出すと大変ですよ」となだめられた。最近でも、同博士は製薬会社の医師向け認知症啓蒙パンフレットでの実地医家との「BPSDの対応?」という対談で、「なるべく早く私どもにお任せください」とBPSDの治療も自分ならうまくできると大変な自信を示しておられた。

今思うと、本間博士はこっそりと保険診療上認められていない少量投与(コウノメソッド)をやっておられたのではないかと疑っている。投与中に起こった副作用を止めるために、減量あるいは中止以外の特別な方法があるとは思われないからである。

話が横道にばかり逸れる。これを今真面目に書き続けている理由は「2017アルツハイマー国際会議」が426日から29日、京都で開催される前に日ごろ感じている認知症にまつわる私の疑問をすべて書いておきたいからである。認知症の診断、認知症の対応、認知症患者と精神病院、重度の認知症患者の医療対応などなど。しかし今のペースでは会議までにすべてを書き終えられない。来週は野暮用で東京にいかねばならない。

念のために言っておくが認知症にせよ、糖尿病にせよ、腫瘍学にせよ、専門家が集まって基礎研究や臨床レベルの成果を発表して、討議する場は学会と呼ばれる団体が主催する会である。一方、患者たちが自らの立場を守るー私はこのことは臨床医学にとって一番大切だと考えている。わが国でも多職種共同による臨床医学ということが言われるようになって久しいが、一番大切にされるべきはずの患者自身あるいは家族-多職種の一人であるーの意見があまり参考にされない。患者自身が参加しない多職種共同の医療は絵に描いた餅であるー会は、認知症で言えば認知症協会と呼ばれる会である。糖尿病学会と糖尿病協会があるように。

2017アルツハイマー国際会議」は 国際アルツハイマ病協会主催である。学会ではない。主に患者たちの親睦会のニュアンスが強い。しかしマスメディアはその様子を伝えようと身構えている。会議で行われる話題は大々的に取り上げられるであろう。それが正しい仕方で伝えられればなにも異存がない。

しかし私はいろいろな病気の患者主体の協会と称する団体が、陰で製薬会社の支援を受けて、新薬の承認や宣伝機関としてフル活動していることを知っている。正しい報道がなされるか危惧している。認知症の医療現場でもさほど効果がないー効果がないから使うべきではないといっているのではない。わずかでも効果があれば患者に投与するべきであるという立場である。それが実地医家の務めであろう。ただ副作用を無視してはならないと言っているだけであるー認知症薬に効果がありそうな話を先導したのが認知症の下に協会や会と名のついた団体である。彼らは製薬会社の描いたstory通りに薬の宣伝に巧妙に加担している。そうでなければこのような荒廃した患者を苦しめる認知症医療現場が10年以上続くはずがない。定年退職後の暇つぶで患者のためだと称して、お金のなりそうなところだけに顔を出す人物がいつまでも幹部として居座り続けている。そうでなければADでもない患者と称する人をオーストラリアから呼ぶような面妖な講演会が開催されるはずがない。一体何を彼女から学ぼうとしているのであろうか。嗚呼!

本題に戻ろう。コウノメソッドの基本は認知症薬の少量投与と向精神薬の併用である。その上にこれだけマスコミが新しい話題を求めているのに、マスコミが全く取り上げない米ぬかを原料とするサプリメント(フェルガード)や、赤ミミズを主成分とするサプリメント(プロベインDR)の投与である。世界中が認知症の薬を求めているのに、これらのサプリメントは世界に一向に打って出ない。好き物の仲間だけが愛用している。

その上認知症が神経伝達物質の欠乏や過剰でおこると信じて、あたかもその不足や過剰を治療すれば、どのような認知症でもーADだけではないー治ると思い込んで治療方法を提案しているフシがある。私が生き証人だと。嗚呼!

続く




# by rr4546 | 2017-04-07 18:01 | 医療関係 | Comments(0)

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根治が期待できる治療方法がない現時点では、保険診療上認められている4種類の認知症薬を使い分けることが認知症専門医のいう認知症医療、治療ということであろう。それ以外認知症に関して治療と呼ぶ医療があるとは思われない。認知症医療と呼べる対応が現在のところないというのが筆者の立場である。

認知症医療の主役である認知症薬は進行を遅らせる効果がうたわれている。進行を遅らせる効果があるとすれば、認知症の特徴である脳の神経細胞の変性・死滅の増大を抑えることが示されなければならない。しかし残念ながら、グルタミンソーダの過剰な刺激が脳の神経細胞を傷害しているという仮説で作られたメマリーでも初期のAlzheimer型認知症(AD)では全く臨床効果が認められなかった、この成績から演繹すれば、メマリーも脳の神経細胞の変性・死滅に影響しないと考える他ない。他の3種類の認知症薬は神経伝達物質のアセチルコリンを上昇させて脳の神経細胞の働きを刺激するだけなので、神経細胞の変性・死滅には全く関係がない。

では何を根拠に進行を遅らせると信じられて認知症薬が投与されているのであろうか。軽度から中程度のADでは、記憶・言語および行為に関する認知機能下位尺度(単語再生、口頭言語能力、言語の聴覚的理解、自発話における喚語困難、口頭命令への反応、手指および物品呼称、構成行為、観念運動、見当識、単語再認、テスト教示の再生能力)の11課題と気分状態や行動変化に関する非認知機能下位尺度(涙もろさ、抑うつ気分、集中力の欠如、検査に対する協力度、妄想、幻覚、徘徊、多動、振戦、食欲の更新/減少)の10項目を70点満点で評価するADAS-J cog.で検査をすると、認知症薬の6か月間投与群で、偽薬の群に比べるとわずか(70点のうち数点。その上どの下位項目で悪化が偽薬と差があったかの記載がない場合が多い)に障害の程度が軽かったという成績を根拠にして、認知症の特効薬としてAD患者に投与されているのである。重度の場合はSIBという別の評価が行われている。

認知症薬の有効性を示すADASの詳細を理解して認知症薬を使っている実地医家はいてもほんのわずかであろう。薬屋のセールスマンまがいの認知症専門医の講演やMRから説明されて、中身を理解しないまま、わかった気になって薬をもてあそんでいる医師が多いと思う。本間昭他:老年期痴呆の臨床評価法-変化に関する全体的評価とサイコメトリックステストー 。老年精神医学雑誌 10193227,1999を認知症薬の処方を出す前に、ぜひ読んで、認知症薬の薬効を理解して患者に投与するべきである。何も理解しないまま、がばがばと認知症薬を投与しているのではないかと危惧している。薬の副作用で認知症現場を一層複雑にしている。

実際今でも認知症薬がいかに効くかという話があちらこちらで披露されている。身近な事から挙げれば325日にN医師会の主催した洛西境谷会館で行われた「認知症と介護ケアを考える会」の特別講演で某精神病院のM医師は、ガランタミンはアセチルコリンを上げる薬の中で多彩な作用を持っているので大変良い薬だと熱弁をふるっていかれた。最後に印象深く著効を呈した症例としてガランタミンを投与したところ、カラオケバーから先生元気になったという電話をもらったとのAD症例を紹介された。50人?近くのー今でもこういう講演会に忙しい開業医が集まるのだから恐ろしいー実地医家が熱心に参加している会で、投与後不穏などの精神症状で困った症例はないか、効果をどのように評価しているのか、薬の効果を実際実感される症例の割合はどれくらいか、などを質問しようとしたが、このような会で演者に冷や水をかけるような振る舞いをすると、聴衆たちを白けさせるので、急いで席を立った。受付で世話を焼いているMRの責任者と思しき担当者に、今でもこんな講演会をしていると、認知症薬は効果より副作用のほうが多いということが周知された時、君たちも責任を問われるぞと嫌味を言って会場を後にした。

また先日の朝日新聞でアリセプトの開発者で、工業高校卒の元エーザイの社員で今では大学教授―寄付講座といってエーザイが資金を出して作った講座の教授ではあるがーのかっても聞かされた「母親が自分のことを忘れてしまった」その悲しみが認知症薬の開発の原動力になったとの記事にお目にかかった。これも嘘である。人物認識が障害される前に、家事の段どりや、料理の手順がわからなくなって、家人を驚かせるのが一般的である。中程度も重度に近く進行した際に人物認識が障害されるので、家人は脳が壊れていくのをずーっと見ているので、息子を認識できなくなることにさほど驚くことはない。嘘ばかりをいった上に、認知症薬のおかげで、書けなかった字が、きれいに書けるようになったとの有名な医学雑誌の発表を引用していた。残念ながら原著を見つけることができなかった。内容は古くてまだ確認していない。ADは視空間認知機能が犯されて構成行為が異常となり、10時10分も正確に書けなくなる。認知症薬の投与で100例以上の認知層患者を診ている私の経験では一度書けなかった字がうまく書けるようになることはないと断言できる。レミニール服用中の中程度以上のステージのAD患者が、椿を描いた図を「寮隆吉のFACE BOOK」で見ていただきたい。

デイケア、短期入所そして長期入所の患者を見ていると、1,2年で軽度から重度のステージの認知症患者と接することができる。以前も言ったが老健施設は認知症を学ぶ最高の場所である。医師会に具申するが学びに来る真面目な医師は皆無である。

極め付きは42歳でADを発病して、13年たったが、その間100回くらいの講演活動を行い、現在では地区での認知症の社会の理解を深める活動をしているとの元看護婦のドキュメンタリーを挙げておく。いくら注意深く見ても、日常生活が障害されて初めて、認知症という病名が付けられる認知症を示唆する症状が見つからない。病識の欠如や取り繕いなど全くない。やたらと笑って家族と談笑しているので、多分抗うつ薬を服用していると感じただけである。ただ多くの人は若年性ADでも進行を遅らせる薬を飲めば、結構普通の生活が送れると誤解させたであろう。手の込んだ認知症薬の宣伝ドキュメンタリーである。認知症の権威がこのような誤診に知らぬ顔をしているのが信じられない。彼女は公共放送にたびたび出現するが、彼女をを使うディレクターは認知症のことを全く知らないか、何かよこしまな意図があって使っているかのどちらかであろう。製薬会社の意図を忖度し過ぎである。このようなアホなマスコミ人も医療現場を荒廃させている犯人の一人である。2例50歳前半で発症した若年性ADを経験しているが3年くらいで言語的コミュニケーションが全くできなくなって、あらため若年性ADの怖さを学んだ。勿論認知症薬は無効。当時製薬会社に問い合わせたが若年性ADには当社の薬は無効との返事であった。いつから若年性ADにも認知症薬が効くと考えられるようになったのか。

この延長線上に46歳で認知症を発症して「私は誰になっていくの?-アルツハイマー病者からみた世界」の著者で、発症後20年たった今でも元気な、この間多くの著作をあらわしたり、再婚したりしているクリスティーン・ボーデン氏が京都で公益社団法人「認知症の人と家族の会」主催で4月に行なわれる2017年世界アルツハイマー会議(2017ADIと略称されている)に招待される珍事を挙げておく。彼女は上記の本を著してから6回も日本を訪れているという。誰がどのような目的でスポンサーになって彼女の講演を依頼するのであろうか。彼女自身も当初の診断は間違っていて、前頭側頭型認知症で自分はアルツハイマーでなかったと告白している。

それなのなぜアルツハイマーの国際会議に、わざわざオーストラリアから彼女を呼ぶのであろうか。会議への参加料が数万円になるわけである。私は彼女が認知症ではなく初老期うつ病(正確な病名は精神科医でないのでわからない)であることをすでにこのBLOGで論じておいた。無関係な人を会議によぶほどお金の余った御仁がおられるのであろう。アホらしい。

このようなインチキがマスコミをにぎわすのでコウノメソッドの信者が全国に溢れるのであろう。

現時点ではAD患者を診たら、穏やかな生活を確保することに心を砕くことが、認知症に携わる医療関係者が最も心掛けなければならないことである。

そのために参考にするべきは、CIBICという臨床医が患者と介護者から得た情報で認知症薬の効果を評価する成績であろう。CIBICで認知症薬の効果をみると偽薬と効果に差がなかったという成績を以前にこのBLOGで紹介した。この成績を素直に評価しなければならない。専門医がみてもその効果が指摘できない薬を患者や家族が希望するとは思われない。患者は臨床的な改善を望んでいるのである。

CIBIC plusJはただ専門医の印象で評価しているのではない。衛生、着衣、排泄、接触、食事の用意、電話をかける、外へ出かける、金銭の取り扱いと通信、薬の服用、余暇と家事の評価、投与開始時、4週後のADLの総括とかなり詳細な状態の把握の方法である。さらに介護者から人が物を盗む、自分の家でない妄想、配偶者は偽物、見捨てられ、不義妄想、猜疑心、これら以外の妄想、幻視、幻聴、幻臭、幻触、またこれ以外の幻覚、徘徊、無目的な行動、不適切な行動、暴言、威嚇や暴力、不穏、昼夜逆転、悲哀、抑うつ、不安、一人ぼっちにされる不安などの認知症にみられる臨床症状の項目別の詳細な評価である(本間昭 同上論文)

この成績で有効性が示されなかったことをしっかり頭に入れて、副作用と効果を天秤にかけながら、認知症医療に取り組むしかない。

患者が何を望んで医療機関を尋ねるか謙虚に耳を傾けなければならない。患者は、臨床的な効果を期待している。ADASスコアーから見た悪化の程度が軽微になることなど、訳の分からぬことなど望んでいない。このことも理解しないで認知症薬を気楽に処方すべきではない。当たり前のことであろう。

認知症専門医がこれが認知症の医療だと言い張っていれば、河野和彦博士のような御仁が出てくる。彼らは同じ穴の狢である。このような荒廃を招いた責任は、ろくに患者を診る時間を持たないのに、効く効くといっている認知症の権威たちにある。嗚呼!

続く


# by rr4546 | 2017-03-31 19:54 | 医療関係 | Comments(0)